ここ数年で急激に「EAA」という名前のサプリメントを耳にする方も増えたのではないでしょうか。
実際に筆者もEAAを愛用していますし確かに非常に効果の高いサプリメントではあるのですが、一部では誤解を呼ぶような誇大広告が掲載されています。
「EAAってなんなんだ?」「なんか胡散臭いサプリメントなのか?」と疑問を持ってしまっている人もいるかもしれません。
今回は、そんなEAAについて、混同しがちなBCAAなどの他のサプリメントともしっかり比較した上で、正しく知って頂けるように解説をしてみたいと思います。
Contents
そもそもEAAって何?必須アミノ酸とは何?
EAAは「必須アミノ酸」
EAAはその正式名称を「Essential Amino Acid」といい、訳してそのまま「必須アミノ酸」を意味します。
自然界には約500種類のアミノ酸が存在すると言われていますが、人間の体を構成するアミノ酸はその内たった20種類です。
さらにその20種類のアミノ酸の中で、体内で合成できない9種類のアミノ酸をEAA(必須アミノ酸)と言います。
人体を構成するアミノ酸は、下記の通りです。
【必須アミノ酸 9種類】
フェニルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、ヒスチジン、トリプトファン、リジン、メチオニン
【非必須アミノ酸 11種類】
アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、アラニン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、システイン、セリン、チロシン
タンパク質の合成には必須アミノ酸全種類が必要!EAAはそれらを全て補える
タンパク質の合成は、必須アミノ酸9種類のうち、1種類でも不足しているとその最も不足しているアミノ酸の量でしか発生しません。
例えば8種類を100摂取していても、残りの1種類の量が50しかなければ筋肉の合成は50の分しか起こらないのです。
※ただし9種類全てが同じ量必要という訳ではなく、9種類それぞれに最適なバランスと量があります。
EAAは必須アミノ酸が満遍なく摂取できるため、筋肉の材料を不足なく補うことができるというメリットがあります。
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【ちなみに】いわゆる「良質なタンパク質」の判断基準となるアミノ酸スコアとは?
よくタンパク質の「質」を議論する際にアミノ酸スコアというワードが出てきます。
アミノ酸スコアとは1種類の食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価したものです。
アミノ酸スコア100の食品にはこれら必須アミノ酸が満遍なく含まれていると言われています。
よって、上記のような不足により何か一部のアミノ酸が足りないから筋肉の合成が起こりにくい・・・ということにならないため、アミノ酸スコア100の食品は「良質なタンパク質」とされます。
アミノ酸スコアが100の食品は、卵、鯵、牛肉、豚肉、鶏肉、鮭、大豆などがあります。
EAAとBCAAの違いとは?
一言で言うと、EAAとBCAAの違いは「含まれている必須アミノ酸の種類の違い」となります。
BCAAはその正式名称を「Branched Chain Amino Acid (分岐鎖アミノ酸)」といい、必須アミノ酸の中でも特にその構造に分岐のある脂肪側鎖を保有するアミノ酸で、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類が該当します。
つまり、EAAはBCAA + その他必須アミノ酸6種類です。
ただ、BCAAは筋肉を構成する必須アミノ酸のうち35%を占めるだけでなく、体内で必要とされるアミノ酸の40%がBCAAと言われています。
これらの理由よりBCAAは必須アミノ酸の中でも特に重要なアミノ酸であると言えます。
BCAAはタンパク質を形作るだけでなく、激しい運動でエネルギーが枯渇した際にエネルギーとして消費されることで筋肉を動かし続けることができます。
そのため激しい運動をする方はBCAAを補給することで筋肉の分解の防止を助けることができます。
加えて、必須アミノ酸9種類の中でも特にこのBCAAの3種類のアミノ酸は筋肉の合成のシグナルを出すことにおいても重要な役割を持ちます。
BCAAが合成のシグナルを発信し、その際にしっかりと必須アミノ酸9種類を中心とする筋肉の材料が揃っていれば、効率的に筋肉肥大を図ることができると言えるでしょう。
BCAAについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
グルタミンもよく聞くアミノ酸だけれど、EAAとの違いは?
グルタミンは体内に最も多く存在するアミノ酸で、EAAやBCAAとは異なり、体内で合成される非必須アミノ酸の1種です。
しかし激しい運動や病気などによりストレスがかかった場合大量に消費されるため準必須アミノ酸と呼ばれています。
体内のグルタミンが枯渇すると筋肉などのタンパク質を分解してグルタミンを取り出そうとします。
そのため激しい運動をする方はBCAAと同様にグルタミンを補給することで筋肉の分解を防ぐことができます。
グルタミンについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
巷で万能効果が謳われているHMBとの違いとは?
HMBは日本語では3-ヒドロキシイソ吉草酸と呼ばれ、英語表記した場合、「β-Hydroxy β-MethylButyrate」の頭文字をとってHMBと呼ばれています。
つまり、HMBサプリの名前ではなく、れっきとした化学物質の名前です。
HMBはロイシンが体内で代謝された際にできる化合物ですが、体内での代謝率は5%と低く20gのロイシンを飲んでも体内では1gのHMBしか合成されません。
そこで既に代謝されたHMBを飲むことで筋肉合成促進・分解抑制効果をより高めることに役立つと言われています。
つまりHMBはBCAAのうち、ロイシンの効果だけを高めたサプリメントと言えます。
HMBはアミノ酸ではありません。
ただ、HMBは研究結果によって効果の有無の主張が分かれているサプリメントです。
一部の広告では「HMBさえ摂取しておけば筋肉がつく!」「プロテインは不要!」などといった誇張広告がありますが、そのように誇張された効果があるかと問われると筆者としては甚だ疑問です。
ただ、HMBを摂取することによって効果を感じられたと言う声も少なくないため、まずは自身で試してみることをオススメします。
EAAはプロテインの代用になる?EAAさえあればプロテインは不要なのか?
それでは、EAAを飲んでいればプロテインは飲まなくても良いのでしょうか。
「必須アミノ酸の補給」という目的だけならば、EAAさえ飲んでいればプロテインは不要です。
タンパク質を分解する手間も省け、スピーディーに必須アミノ酸を補給することができます。
ただ、必須アミノ酸も非必須アミノ酸も、元々はタンパク質(プロテイン)が分解されたものです。
確かに必須アミノ酸9種類は重要ではありますが、非必須アミノ酸11種類もしっかり補給しなければ体は作られません。
よって、EAAに便りきるのではなくしっかりと食事からもタンパク質を補給するようにしましょう。
※プロテインもタンパク質が豊富な「食品」です。
プロテインについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
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EAAの摂取タイミングや摂取量は?
1度に摂取する量
BCAAの摂取量に対して血中のBCAA濃度が変化する量は2,000mg以上といったデータがあります。
2,000mg以上のBCAAを摂取することで血中BCAAの増加は2時間程度継続します。
しかし体重によってその量は変化するため、1回の摂取量は体重1kgあたり50mgを目安に摂取することをお勧めします。
ただ、各製品により各アミノ酸の含有量は異なるため、それぞれの製品ごとの摂取基準分量を守りつつ、ご自身の筋肉量に応じて摂取量を増やすなど調整していけば問題はないでしょう。
また、EAAは一度に大量に摂取をすると浸透圧性の下痢を起こしてしまうケースがあるようです。
ご自身の消化能力と相談しながら摂取量を調整しましょう。
EAAのおすすめの摂取タイミングはいつ?
EAAを飲むベストなタイミングはいつでしょうか。
上の図はBCAAのデータですが、筋肉に主な作用をもたらすアミノ酸は主にBCAAであり、それに筋肉の材料となるその他の必須アミノ酸が加えられたものがEAAであると言うことを考慮すると、EAAとBCAAのオススメ摂取タイミングに差はないと言っていいでしょう。
BCAAはその摂取量にかかわらず飲んだ30分後にピークを迎え、その後は減少に転じます。
この特性を考慮して以下のタイミングをお勧めします。
(1)運動の30分前
トレーニング開始時に血中アミノ酸濃度を最大にするためには、トレーニングを開始する30分前に摂取することが大切です。
自宅や職場からジムに向かう前にEAAを飲みましょう。
(2)トレーニング中
長時間トレーニングを行う際は、筋肉に刺激が入り分解を始めることで、時間と共に血中アミノ酸量がどんどん低下してしまいます。
そこで運動開始から1時間後にもう一度EAAを飲むことで、運動前に飲んだアミノ酸が使い切られる頃に新たに摂取したアミノ酸が血中をめぐり、血中アミノ酸濃度を保った状態でトレーニングを継続することができます。
(3)トレーニング直後
トレーニングを終えても疲弊した筋肉はエネルギーを必要とします。
そこで筋肉の分解を防ぎ、修復をサポートするためにも運動後のEAA補給も重要です。
(4)寝起き
寝起きは長い時間身体に栄養が入っておらず、筋肉を分解してエネルギーを生み出してしまうカタボリック状態となっていることが多いです。
そこでEAAを摂取することでタンパク質から分解する必要なくスムーズに血中のアミノ酸濃度を戻すことができ、筋肉の分解を防ぐことができます。
EAAとBCAAは併用していいの?
結論から言うと、併用しても問題はありません。
ただ、BCAAはEAAの中にも含まれるため、BCAAとEAAを併用すると必須アミノ酸9種類のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類を特に多く摂取することになります。
バリンらBCAA3種の必須アミノ酸は上記の通り筋肉の合成のためのシグナルを発信することにおいて重要な役目を果たしますが、シグナルが発信されたとしてもそのシグナル量に見合うだけの必須アミノ酸9種類が揃っていなければ筋肉は合成されません。
繰り返しになりますが、例えば必須アミノ酸を8種類を100摂取していても、残りの1種類の量が50しかなければ筋肉の合成は50の分しか起こらないのです。
そういった意味では、EAAとBCAAの併用は特に問題はないものの、必須アミノ酸9種類のうち3種類だけを多く摂取することになるので、併用したからといって筋肉の合成がその分加速されるかというと疑問です。
おすすめEAA製品は?昔はまずい製品も多かったけれど今はおいしい!コスパや味などを総合評価!
ここからは、Muscle Holdings編集部が実際に試したり多くのユーザーにインタビューした結果オススメしたいEAA製品を紹介させていただきます。
マイプロテインのEAA 味も増え、セール時に買えばコスパはトップクラス
マイプロテインのEAA
詳細と購入はこちら
上記の通り、EAAは数年前まではほとんど味つきの製品がなく、マイプロテインのノンフレーバーEAAもその味への評価はお世辞にも良いとは言えませんでした。
筆者も過去に250gを注文したものの、あまりに苦く、他の味つきサプリメントと混ぜても隠せない風味に耐えられず数回で飲むことを断念した過去があります・・・。
しかし、近年マイプロテインのフレーバーつきEAAの評価は非常に高く、実際に筆者もプラム風味やグレープフルーツ風味など複数の製品を試しましたが、クセもなく非常に飲みやすくなっています。
なんと言ってもEAAはBCAAと比べて2倍以上の値段がするため、セール時にまとめ買いすることでそのコストを他社よりも圧倒的に抑えることができるのがマイプロテイン製品の強みです。
EAA9 あの筋肉博士こと山本義徳先生プロデュースのVALXブランドのEAA!
EAA9は筋肉博士たる山本義徳先生が成分までしっかり監修をしプロデュースしたEAAです。
価格も他社に比べて高すぎることもなく、公式サイトでは初回割引キャンペーンなども行っている他、山本先生の指導映像特典なども豊富で価格以上の価値を得られるでしょう。
また、製品の特徴としてはプレワークアウトにもよく配合され、疲労回復効果もあるベータアラニンという成分が追加で添加されているところも嬉しい特徴です。
山本義徳先生についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
パープルラース(Purple Wraath )のEAA 価格も安く、アルギニンでパンプ感もバッチリ!
複数名の方にインタビューした結果によると、iHerb経由で上記商品を購入している方も多いようです。
また、味もグレープとレモネードが主流のようですが、どちらも非常に評判が良いです。
ジュース感覚で美味しく飲めるということはかなり重要で、いくら効果のあるサプリメントでも飲みにくくて続かなかったら意味がありません。
また、前述の非必須アミノ酸の1つであるアルギニンも添加されており、その効果でトレーニング中のパンプにも実感が持てるという声もあります。
バルクスポーツのEAA 社長の熱い思いが光るHALEOの兄弟ブランド
トレーニーの皆様なら一度はサプリメントブランド「HALEO」と「BULK SPORTS」の名は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実はその2つのブランドは、David Halton社長率いるボディプラスインターナショナルという同じ会社が取り扱っているブランドなのです。
その品質の高さへのこだわりに定評のあるブランドです。アンチドーピングなども特に徹底されているのが特徴です。
David社長やHALEO軍団と呼ばれる格闘技選手を中心とした当社製品愛用の方々の理念に惹かれてこのブランドを応援する!というファンも多いです。
ちなみにですが、かの有名な筋肉食堂で提供されているプロテインはこのHALEO社のものです。
筋肉食堂についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
実際にEAAは人体の根幹をなす必須アミノ酸を満遍なく摂取できるサプリメントであり、その効果は筆者自身も実感しています。
筆者はトレーニング中にEAA、マルトデキストリン、クレアチンを水に溶かしたドリンクを飲んでいます。
ただ、コストも比較的高いので、今回の記事が少しでも皆さんの中で何が重要で何を妥協するかの判断基準となり、EAAへの理解の役に立てれば嬉しいです。
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