「ソイプロテインは大丈夫なのにホエイプロテインを飲むとお腹が痛くなる」、「そもそも牛乳を飲むとお腹が痛くなる」・・・そんな悩みを抱えている方はいらっしゃらないでしょうか?
しかしそれはおかしいことではありません。
その原因は牛乳の甘み成分である乳糖にあります。
そして、白人以外の人々は乳糖を分解吸収できない「乳糖不耐症」であることが少なくないのです。
今回は乳糖や乳糖不耐症について、解説していきます。
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Contents
牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)とは?
乳糖とは、牛乳に含まれている甘み成分(糖質/炭水化物)です。
乳糖は砂糖や果糖などの単糖類ではなく、ブドウ糖(グルコース)とガラクトースが結合した多糖類です。
また、乳糖は動物の体内で生成される乳以外には含まれることのない糖類です。
1リットルあたり、ヒトの母乳には75g、牛乳には45gほどの乳糖が含まれています。
乳糖不耐症とは?ミルクを飲むとお腹がゴロゴロゆるくなるアレルギー反応が起こる症状のこと!
歴史上酪農を主な産業として乳製品で育ってきた白人には乳糖を分解するラクターゼという酵素が多いのですが、それ以外の我々アジア人や黒人の人たちにはそのラクターゼが体内に非常に少ないケースも多々あります。
ラクターゼの処理能力で対応出来る以上の乳糖を摂取すると、乳糖は消化されないまま大腸に運ばれます。
そして乳糖は大腸の細菌により発酵し、ガスが溜まります。
加えて乳糖の分子は浸透圧作用により腸管内に水分を引き寄せるため、大腸内にガスと水が溜まり、腹部の張り、げっぷ、水溶性の下痢などを引き起こします。
乳糖を分解する酵素であるラクターゼが不足することで上記のような症状を引き起こすことをトータルで乳糖不耐症と言います。
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「便秘の時に牛乳がいいと聞いて牛乳を飲んだらお通じが良くなった!」という人もいますが、それは単に乳糖を分解できずにお腹を壊しているだけです。
乳糖不耐症を含む牛乳の害については、アメリカの医学博士フランク・オスキー氏の著書である下記の本は牛乳が普及した背景などからしっかり説明してくれており非常に分かりやすく、エビデンスもしっかりしていました。
乳糖不耐症は大人になってから発症する?検査や治療の方法は?
乳糖を分解する酵素であるラクターゼは、乳幼児期にはどの民族もある程度活発に作用します。
しかしラクターゼの活性ピークは出生直後であり、個人差はあるもののピーク以後は徐々にラクターゼは不活性化し、乳糖の分解能力が落ちていきます。
また、乳糖不耐症かどうかは無乳糖ミルクを摂取しての下痢などの症状の発生の有無を比較して判定することができます。
特に赤ちゃんなどが普通の粉ミルクで下痢などを起こしてしまう場合は、下記の無乳糖粉ミルクなどを試してみると良いでしょう。
そしてその治療法はシンプル。「乳製品の摂取をやめること」となります。
薬などにより乳糖不耐症の症状を抑制することはできますが、本質的な治療にはなりえません。
豆乳は乳糖とは無関係。調整豆乳の甘みは何?
乳糖はそもそも乳に由来する糖質なので、大豆を絞って精製する豆乳には乳糖は含まれません。
調整豆乳の甘さは、砂糖などの添加された糖類の甘さになります。
余談ですが調整豆乳と無調整豆乳の違いは農林水産省のJAS法という法律に定められており、
無調整豆乳:大豆固形分が8%以上あり、大豆以外には特に添加されていないもの
調整豆乳:大豆固形分が6%以上あり、その他砂糖や植物油などを加えて風味や口当たりを整えたもの
という違いがあります。
また、豆類はタンパク質も動物性たんぱくのホエイとは違い、分解・吸収がゆるやかな植物性タンパク質となります。
植物性の食品についてはヴィーガンの方々向けにオススメの筋肉のための食事・サプリメントについてはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
乳糖不耐症の対策は?チーズやヨーグルトなど発酵食品なら大丈夫?
乳糖は発酵の過程などを経て、チーズやヨーグルトとなると含有量が減ります。
大まかにヨーグルトは発酵で10~20%ほどの含有量ダウン、チーズは発酵と製造過程でのホエイ排除で90%ほどの乳糖が失われるようなので、場合によってはこれらの乳製品では乳糖不耐症を起こさない方もいるでしょう。
とはいえやはり乳糖の含有量はゼロではないので、個人差はあるもののやはり乳糖不耐症の方は乳糖の摂取は避けた方がよいでしょう。
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しかしボディメイクにおいてプロテインは非常に便利な存在です。
下記では、そんな乳糖不耐症の方々にもオススメなプロテインを紹介します。
乳糖不耐症の人にオススメのプロテイン
乳糖不耐症の人は、一般的なWPC(ホエイプロテインコンセントレート)ではなくWPI(ホエイプロテインアイソレート)やWPH(ホエイプロテンハイドレート)を用いたプロテインを使用することをオススメします。
WPCは一般的なホエイプロテインにタンパク質として用いられているホエイ(乳清)で、WPIはそのホエイの精製度合いをより高めて、脂質や乳糖を含む糖質を排除したものになります。
また、WPHは加水分解プロテインとも呼ばれ、WPIのタンパク質を酵素によりペプチドとアミノ酸まで分解したものです。
そのためWPHは純度の高いタンパク質を含みながらもその消化吸収が早いのが特徴です。
それぞれを比較してみると下記の表のようになります。
右に行けばいくほどタンパク質の純度が高くなり、その分値段も高くなります。
WPC | WPI | WPH | |
---|---|---|---|
タンパク質含有率 | 75%前後 | 90%以上 | 90%以上 |
値段 | 通常 | 高め | より高め |
脂質含有率 | 2%前後 | ほとんど0% | ほとんど0% |
乳糖含有率 | 10%前後 | ほとんど0% | ほとんど0% |
※数値はメーカーや製品により前後します。あくまで目安の数値です。
WPIやWPHのプロテインは、乳糖不耐症の人達以外にも厳格にPFCバランスを管理していてタンパク質のみを補給したい人やケトジェニックダイエットをしていて糖質を摂取したくない人にも有効なプロテインです。
プロテインの種類についてはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
編集部オススメのWPI(ホエイプロテインアイソレート) / WPH(ホエイプロテインハイドレート:加水分解プロテイン)使用プロテインは?
ここからはMuscle Holdings編集部オススメのWPI / WPHプロテインをご紹介していきます。
WPHプロテインは「加水分解プロテイン」という名称で売られていることもあります。
ビーレジェンド WPI:コストも抑えながら美味しさピカイチ!
プロテインとは思えないほど美味しいことで有名なビーレジェンドのプロテインにもWPIのものがあります。
味も1種類でなくココア、レモン、ココナッツミルクと豊富です。
ビーレジェンドプロテインについてはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
バルクスポーツ アイソプロシリーズ
トレーニーの皆様なら一度はサプリメントブランド「HALEO」と「BULK SPORTS」の名は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実はその2つのブランドは、David Halton社長率いるボディプラスインターナショナルという同じ会社が取り扱っているブランドなのです。
その品質の高さへのこだわりに定評のあるブランドです。アンチドーピングなども特に徹底されているのが特徴です。
マイプロテイン Impactホエイアイソレート(WPI)
マイプロテインのImpactホエイアイソレート
詳細と購入はこちら
マイプロテインはコストパフォーマンスに定評のあるブランドです。
昔は配送時に袋が破れているなどの事故もあったようですが大幅な品質・配送の改善がなされ、注文から配送完了までのリードタイムも2週間を切るようになってきています。
大々的な広告を打たずインフルエンサーや口コミを通じて販路を拡大しているのもその低コストの秘訣です。
マイプロテイン 加水分解ホエイプロテイン(WPH)
マイプロテインの加水分解ホエイプロテイン
詳細と購入はこちら
同じくマイプロテインから出ているWPHのプロテインです。
脂質や炭水化物が少なくタンパク質含有量も90%を越えています。
タンパク質の一部がアミノ酸レベルまで分解されているため消化吸収が早いのが特徴です。
WPI / WPHのプロテインを安く買うにはどうしたらいいのか
お腹を壊さないようにするのが最優先とはいえ、やはりWPI・WPHプロテインを継続して購入する場合コスト面は大きな問題です。
少しでもコストは押さえながらWPI・WPHのプロテインを確保したいところです。
コストだけならば、マイプロテインのセールのタイミングを狙ってまとめ買いするのがオススメです。
30%以上の割引が頻繁にあるほか、時には50%を越える割引率のセールもあります。
マイプロテインのセール予想についてはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
今まで肉体改造に向けてプロテインを飲み始めたものの度重なる腹痛により心が折れてしまった方もいるのではないでしょうか。
安心してください。あなたは何も異常ではなく、身体が正常な反応をしているのです。
少し値は張ってしまいますがセール等を活用してタンパク質含有量も良いWPIやWPHのプロテインをお供にボディメイクを頑張っていきましょう!
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