○○を食べるだけダイエット!○○を飲むだけダイエット!○○を着るだけダイエット!なんていう情報が世の中には出回っています。
中には優良な情報もありますが、どう考えても「そんなわけないだろ」としか思えないものが多いです。
そして結局何をしたら良いかわからなかったり、間違った情報を信じて健康を害してしまったりした人もいるのではないでしょうか?
今回は減量/ダイエットにおける絶対法則「カロリー収支」と「マクロ栄養素/PFCバランス」についてご紹介します。
また、本記事においては「痩せる」の定義を「筋肉をなるべく落とさずに体脂肪を減らす」こととします。
体重が落ちても筋肉が落ちてスキニーファットと呼ばれるぶよぶよの身体になったり、リバウンドしやすい身体になったりしてしまったら痩せた意味がないからです。
上記「カロリー収支」と「マクロ栄養素/PFCバランス」は「筋肉をなるべく落とさずに体脂肪を減らす=正しく痩せる」ための絶対法則です。
減量は科学。数字を守れば絶対に結果が出ます。
この記事で皆さんが以下の3点を学ぶことが出来れば、もう皆さんは自力で痩せることが出来るようになっています!では、順を追って解説していきます。
- 自分の摂るべきカロリー総量
- そのカロリーの中で何を食べればよいか
- なるべくストレスなくカロリーコントロールを続けるためのコツ
Contents
カロリー収支
カロリー収支とは?
まず、もっとも重要な法則がカロリー収支です。
消費カロリー>摂取カロリー → 痩せる
消費カロリー<摂取カロリー → 太る
というごくごく単純な法則です。どれだけ身体に良い物を食べようがどれだけジャンキーな物を食べようが、カロリー収支がプラスならば太りますしマイナスならば痩せます。
自分の消費カロリーを計算してみましょう
まずは自分の消費カロリーを知るところから始めましょう。
消費カロリーの計算式
消費カロリーは
消費カロリー = 基礎代謝 + 生活活動代謝 で求めることが出来ます。
基礎代謝とは
基礎代謝とは、丸一日ピクリとも動かず寝たきりでいても身体が生命活動の維持のために消費してくれるカロリーのことです。
生活活動代謝とは
生活活動代謝は、例えば通勤での徒歩、仕事で脳を使う、ジムで運動する・・・などの生活の中で消費するカロリーのことです。
本来ならばInBody測定などを利用してなるべく正確な基礎代謝量などを測定するのが理想ですが、自信の身長や体重などの数字から大体の数字を出すことが出来ます。
様々な計算式があるかとは思いますが、ここではハリス・ベネディクトの計算式を使用します。
計算式が細かくて面倒なので、このサイトで自動計算することをオススメします。(クリックで飛びます)
ただ、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準策定検討会』報告書においては、この計算式は高めに消費カロリーが算出されるとの記載があるので頭の片隅には入れておきましょう。筆者の体感としては誤差の範囲かなと思いますが。
そしてこれに身体活動レベルを掛けたものが、基礎代謝と生活活動代謝の合計である総消費カロリーです。
目安 | 基礎代謝に掛ける数字 | |
---|---|---|
アクティブレベル低 | ほぼデスクワークで特に運動しない | ×1.2 |
アクティブレベル中 | 立ち仕事や力仕事が多い | ×1.55 |
アクティブレベル高 | 立ち仕事や力仕事に加えてジムなどで運動している | ×1.725 |
筆者の場合だと普段は車移動の営業マンなのでアクティブレベルは低いですが、業務後にジムでの筋トレや格闘技の練習をしていますのでアクティブレベル中といったところでしょうか。
先ほどのサイトで算出した筆者(23歳男性 175cm 75kg)の基礎代謝が1,802kcalでしたので、アクティブレベル中の1.55を乗算し、1日の消費カロリーは1,802kcal × 1.55 = 2,793kcal となります。
つまり筆者は1日約2,800kcalを摂っていれば太ることも痩せることもありません。
2,800kcalを下回っていると体脂肪や筋肉が減り(痩せていき)、上回っていると体脂肪や筋肉が増えます(太ります)。
とは言え急激な摂取カロリーの変化は身体に負荷を与えてしまうので、
- 増量目的の人は消費カロリー×1.1~1.3
- 減量目的の人は消費カロリー×0.9~0.8
を目安に摂取カロリー目標を設定しましょう。
また、この数字はあくまで参考値のため、実際に続けながら身体の様子を見て数字を変えていくメンテナンス力も重要です。
筋肉量によっても代謝量は大きく変わります。同じ先ほどの計算式も身長・体重・年齢・性別全ての計算要素が同じでも筋肉量が多い人の方が実際の基礎代謝量は多くなります。
体脂肪を減らす理想のカロリー収支は?
体脂肪は1kgあたり7,200kcalのカロリーオーバー/アンダーで増減します。
もし1日あたりの消費カロリーが摂取カロリーを720kcal下回っていれば10日で1kg体脂肪が減る計算になります。
先ほど脂質は1gあたり9kcalだと書きましたが、体脂肪という形となると純粋な脂質でなく2割水分を含むので、9kcal×1,000g×0.8=7,200kcalという計算になります。
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マクロ栄養素とPFCバランスについて
マクロ栄養素とは?
マクロ栄養素とは、炭水化物・タンパク質・脂質の3つの主要栄養素を指します。
どんな食品? | 1gあたりのカロリー | |
---|---|---|
炭水化物 | 米、パン、麺、芋、果物、砂糖 | 4kcal |
タンパク質 | 肉、魚、卵、大豆、乳製品 | 4kcal |
脂質 | 植物油、脂身、ナッツ、アボカド | 9kcal |
炭水化物とタンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalという数字は暗記してください。マクロ栄養素を計算するうえで必須の公式となります。
また、皆さんもお気付きかと思いますがマクロ栄養素とは人間にとっての5大栄養素からミネラルとビタミンを抜いたものです。
もちろんミネラルとビタミンも重要ですが、ボディメイクにおいては特に上記の3つが重要視されます。
PFCバランスとは?
上記マクロ栄養素について、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のバランスのことです。 それぞれの頭文字をとって一般にPFCバランスと呼ばれています。
PFCバランスは、先ほど算出した自分の総消費カロリーをもとに決定していきます。
ここでは先ほど算出した1日の消費カロリー目安が2,687kcalの筆者が減量のために消費カロリー×0.8=2,150kcalで摂取カロリー目標を組んだ場合の実例も交えて説明してみましょう。
PFCバランスの設定は大まかに下記の通りです。
PFC比の数字の決め方 減量時と増量時の違いは?
1. タンパク質の摂取量は体重(kg)×2~2.5倍にする
2. 脂質の摂取量は体重(kg)×0.9倍以下にする
3. 算出されたタンパク質と脂質のカロリーの和を出す
4. 1日の摂取目標カロリーから上記の和を引く(それが1日の炭水化物のカロリー)
5. 引き算で出た数字を4で割る(割り算で出た数字が1日の炭水化物摂取量)
となります。
表でまとめてみましょう。
1日の摂取量目安(g) | 筆者の場合の摂取量 | |
---|---|---|
タンパク質 | 体重(kg)×2g | 75(kg)×2=150g=600kcal |
脂質 | 体重(kg)×0.9g | 75(kg)×0.9=67g=603kcal |
炭水化物 | (残りの摂取可能カロリー)/4g | (2,150-600-603=947kcal)/4=237g |
増量の際はたんぱく質の量は体重(kg)×2g以上をキープし、炭水化物と脂質を目標カロリーまで増やします。
そして、真っ先に決定したことからお気付きかもしれませんが、一番重要なのはタンパク質です。
よくダイエットをするとなるとサラダしか食べない!なんていう人がいますが、たんぱく質が不足した食事では冒頭に述べた通り、筋肉が落ちて逆に痩せにくい身体になります。
体重が落ちたとして、筋肉が落ちて皮膚が弛んだ身体は美しいでしょうか?
また、たんぱく質は筋肉以外にも髪や爪などの材料です。たんぱく質が不足するとそれらも荒れてきてしまいます。
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増量/減量でプロテインを飲むべき理由
身体作りにおいて、効率よくたんぱく質を補給できるプロテインは必須と言ってもよいでしょう。
よくプロテインを筋肉増強剤か何かと勘違いしている人もいますが、プロテインはただのたんぱく質です。イメージとしては肉や魚を粉にして飲んでいるようなものです。
ただ、プロテインは肉や魚と違って余計な脂質も含まれておらず、ビタミンも添加されています。加えて、溶かして飲むだけなので調理や洗い物の手間もありません。
たんぱく質1gあたりのコストもプロテインのほうが安くなります。
例えば下記商品で計算してみると、かなり安いささみだと思いますが、ささみがたんぱく質について0.3円/1gなのに対してプロテインは0.2円/1gです。
(ささみは100gあたりたんぱく質が22g含まれているのに対し、プロテインは1杯29gあたりたんぱく質が20g含まれています。)
たんぱく質は実質30%カロリーオフ?食事誘発性熱産生(DIT)とは
食事誘発性熱産生(DIT = Diet Induced thermogenesis)とは簡単に言えば、食べたものを体内で運んだり消化吸収したりするときに消費するエネルギーのことです。
糖質と脂質が摂取エネルギーの5%ほどしか消化吸収で消費されない一方で、たんぱく質は脅威の30%という数字を誇ります。
同じ1000kcalの物を食べても、糖質と脂質が950kcal身体にたまっていくのに対してタンパク質は700lcalしかたまらない、と考えると恐ろしい差です。
この数字の高さは、たんぱく質の消化吸収や代謝における複雑な工程によるものです。
たんぱく質については実質的に摂取カロリーが30%オフになっているようなものなのです。
同じカロリーを摂取するならば、高たんぱく食の方が確実に減量がうまくいくことでしょう。
働きながらの減量時の1日の食事メニュー例とPFC&カロリー計算
ここであくまで例ですが、筆者の実践していた食事例を記載します。
PFCやカロリーは大雑把な数字です。目標摂取カロリーは2,100kcalです。
6:00 起床・1食目
冷凍バナナ1本、全卵3つのオムレツ、Impactホエイプロテイン 、マルチビタミン、クレアチン
440kcal, C 20g, P 45g, F 20g
9:00 営業マンとして顧客訪問前の準備をしながら2食目
玄米おにぎり(持参)
250kcal, C 56g, P 4g, F 1g
12:00 コンビニランチ 3食目
ざるそば、サラダチキン
427kcal, C 60g, P 40g, F 3g
15:00 アポイントの隙間に4食目
玄米おにぎり(持参)
250kcal, C 56g, P 4g, F 1g
18:00 おやつ 5食目
焼きたらこおにぎり
205kcal, C43g, P 6g, F1 g
20:00 退勤 トレーニング後の栄養補給 6食目
BCAA、Impactホエイプロテイン、マルチビタミン、クレアチン
100kcal, P 20g, F2g
23:00 晩御飯 7食目
皮なし鶏胸肉とほうれん草のスープ、オートミール50g、グルタミン
400kcal C 35g, P47g F 8g
24:00 就寝
就寝前にアルギニンを摂取
大雑把に1日の合計
2,100kcal C 270g, P 160g, F 40g
筆者の場合は摂取目標からさらに脂質を少なめにし、炭水化物の比率を多めにしています。炭水化物はオートミールや玄米など、低GI値の食品を選びます。
ボディメイクを無理せず続けるためのコツ
最後のトピックとして、無理せずボディメイクを続けるための筆者なりの4つのコツをお伝えします。
1. 記録アプリを使ったり本を読んで数字を覚える
カロリー計算や運動の記録等、いちいち調べて記録していると面倒くさくてやめたくなってしまいます。そんな課題を解決するために、最近では便利なアプリが出ています。
筆者のオススメは、かの有名なスポーツブランドUNDER AMOURのMyFitnessPalというアプリです。
画像のように食べたものの名称を検索するだけでカロリーやPFCバランスを自動で入力し、計算してくれます。加えて目標摂取カロリー/PFCに対しての進捗管理も出来ます。
そして何より、無料。愛用しております。
記録も面倒くさいし頭の中で概算してしまえ!という人は、本を読んでカロリーやたんぱく質含有量を覚えてしまうのも手です。
筆者はこの本が好きです。気分転換の暇つぶしに眺めていても楽しいです。
2. 減量中ならチートデイを取り入れる
チートデイとは、その名の通り身体を”騙す”日です。
減量を進めていると身体はカロリーが不足している状態に慣れてしまい、アンダーカロリーでもなんとか動けるように消費カロリーが落ちて痩せにくくなってしまいます。
これが減量の停滞期の一因と言われており、この身体の適応機能を恒常性維持(ホメオスタシス)といいます。本当に身体はしっかりシステム構築されています・・・。
そこで、たまにドカ食いをして「おい、摂取カロリー多いぞ!代謝あげないと太るぞ!」と身体を騙してやるのです。
チートデイは以下のルールさえ守れば何を食べてもいいです。
ストレス解消も兼ねて楽しく食べましょう!
- 普段の食事管理をしっかり行い、減量停滞期にだけやる
- 1~2週間に1度の頻度で身体と相談しながら取り入れる
- 体脂肪率の低い人ほど頻度は高く
- チートデイは1日だけと時間を決めてスパッと終える
3. 数字に厳格になりすぎない
PFCバランスやカロリー収支など、細かく計算しすぎると気が滅入ってしまいます。もちろん厳格に守ったほうが早く結果が出ますが、心が折れてやめてしまっては元も子もありません。
原則と大まかな数字を理解し、コンビニで何かを買うときに栄養表示を見るなど、毎日の食生活を意識するだけでも塵も積もって山となり結果として現れます。
ある意味で大雑把な心を持って取り組みましょう。
4. ボディメイク友達を作る
最近ではTwitterやInstagramでボディメイク仲間でフォローし合い、お互いのモチベーションを高めている人々も多いです。筆者もその1人です。
他人のトレーニングやボディメイク進捗、憧れの人の筋肉を見ると「頑張ろう!」という気持ちがわいてきて、モチベーションが保てます。
気分的にも、いちいち本などを開かず息抜きに見るSNSで見れるのがいいですね。
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2つの絶対法則を頭に入れながら日常に変化を
正しく増量する/痩せるためには、上記を意識して食事の内容を意識的に変えていくことが必須です。ボディメイクはほぼ食事で決まると言っても過言ではありません。
カロリー収支とPFCバランスという大原則を無視していては、どれだけサプリメントにこだわっても望む結果は絶対に得られません。
さて、ここまで長い記事を読んでくださりありがとうございました。
冒頭に書いたこの3項目は理解できたでしょうか?
- 自分の摂るべきカロリー総量
- そのカロリーの中で何を食べればよいか
- なるべくストレスなくカロリーコントロールを続けるためのコツ
理解できたならば、あなたは今日から迷わず正しい方向に努力することが出来ます。自分なりの工夫も見つけながら無理せず日常の行動を変えていきましょう!
塵も積もれば山となる・・・原則を理解し、正しい方向へ小さな行動を積み重ねれば、理想の身体は必ず得られます!
以上、筆者は外資系筋肉(Twitter: @nanchatte_mscl)でした!
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