クレアチンの効果・飲み方・副作用やローディングの方法を理系大学院生が本格的に解説します。クレアチンを飲むことで筋肉への円滑なエネルギー供給が可能となり、強度の高いトレーニングを行うことができ、さらなるパワーアップが見込めます。また詳しく知りたい方向けにメカニズムについても解説します。
Contents
クレアチンとは
クレアチンは肉や魚、もちろん人体にも自然に存在する物質です。アルギニン・グリシン、メチオニンと呼ばれる3種類のアミノ酸から合成され、強度の高い運動を行いエネルギーが枯渇した際に、素早くエネルギーを供給する役割を持ちます。
そのため体内のクレアチンのほとんどは筋肉に存在し、その備蓄量を増やすことでより負荷の大きいトレーニングが可能となります。
つまりクレアチンは糖質脂質のようにエネルギーになるわけでも、プロテインやアミノ酸のように筋肉になるわけでもありません。クレアチンの役割はエネルギーを蓄え、素早く放出することです。
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プロテインやBCAA、HMBとの違い
まず前提として、クレアチンの代替になるサプリメントは存在しません。その理由を他のサプリメントと比較しながら解説します。
プロテインの役割
プロテインは文字通りプロテイン(タンパク質)です。プロテインを飲むことでは筋肉が超回復する際の材料となったり、減量中に筋肉の分解を防いだりすることができます。
BCAAの役割
BCAAは人のタンパク質を構成する20種類あるアミノ酸のうち、体内で合成できない必須アミノ酸に分類されるロイシン、バリン、イソロイシンの混合物です。
つまりBCAAはタンパク質を構成するアミノ酸の中でも、特に必要なアミノ酸と言えます。BCAAを飲むことで筋肉の分解を防ぐことができますが、プロテインに比べて圧倒的に吸収速度が速いためトレーニング中の服用がオススメです。
HMBの役割
HMBはBCAAにも含まれるロイシンが体内で代謝されてできる化合物です。BCAAのようにロイシンをそのまま飲んでも代謝の効率は悪く、その全てが筋肉となるわけではありません。
それならば予め代謝されたものを服用すればいいじゃないか!といった発想で生まれたのがHMBのサプリメントです。
十分にタンパク質・アミノ酸の摂取ができていれば問題ないため、あくまで補助的なサプリメントです。
糖質・脂質の役割
糖質や脂質は筋肉を含め、体を動かすエネルギーの元となります。これらが過剰に枯渇すると筋肉を分解してエネルギーにしてしまうため、最低限の摂取は必要です。
しかし糖質や脂質、特に脂質は筋肉で使えるエネルギーの形に代謝するまで時間がかかります。
クレアチンの役割
クレアチンは糖質や脂質から取り出したエネルギーを、即座に取り出せる形で備蓄する化合物です。激しい運動で筋肉中のエネルギーが枯渇した際、筋肉が動き続けられるように、溜め込んだエネルギーを即座に放出します。
そこで、トレーニング中に少しずつ水分補給を兼ねて「吸収の早い糖質とアミノ酸を含んだドリンク」を飲むことで、胃腸の負担もかからず、最善のタイミングで筋細胞に栄養を注入できる。できればクレアチンも配合したい。
— Yoshinori Yamamoto (@claymoreberserk) 2015年12月9日
クレアチンの効果
トレーニング効果の向上
クレアチンは筋肉が収縮する際に必要なエネルギーを供給するため、高強度・高反復のトレーニングへの効果が期待できます。
高負荷のトレーニングで筋肉内のエネルギーが枯渇しそうな時にクレアチンがエネルギーを供給することで最大出力や反復回数が上昇することが期待できます。
筋肥大・除脂肪体重の増加
トレーニング効果が向上することで強度の高いトレーニングが可能となり、より効率的に筋肥大を起こすことが可能になります。
また、クレアチンはエネルギー源として細胞に取り込まれる際、一緒に水を体内に引き込むため筋肉が重くなり、結果として除脂肪体重が増加します。
脳の活性化
クレアチンの大半は筋肉に備蓄されますが、筋肉と同様大量のエネルギーを必要とする脳にも一部備蓄されます。そのためクレアチンを飲むことで脳へのエネルギー供給も良くなり、思考が活性化する可能性があります。
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クレアチンの副作用
クレアチンの副作用に関しては「肝臓・腎臓に悪い」「胃痛を引き起こす」「太る」など幾つかの俗説が有ります。1つ1つ解説していきます。
Q.1 クレアチンは肝臓・腎臓に悪い?
A.1 クレアチンが肝臓や腎臓に悪影響を及ぼすといった科学的な根拠は示されていません。前述の通り、クレアチンは普段食べる食物や、人体の中に自然と存在する成分であるため問題はありません
Q.2 クレアチンを飲むと胃痛が起こる?
A.2 クレアチンは水に溶けにくいため、空腹時に摂取したり、少量の水で摂取したりすると胃痛を引き起こす可能性があります。服用の際は十分な水分と一緒に摂取することをお勧めします。
Q.3 クレアチンを飲むと太る?
A.3クレアチンは筋肉中に水分を引き込むため、服用開始時に体重の増加が見られる可能性は十分にあります。しかし体脂肪が増えたわけではないので、除脂肪体重の増加分体脂肪率は減り、筋肉に張りを持たせることができます。
クレアチンの効果的な飲み方・タイミング
クレアチンの基本的な飲み方
ビルダー飲み
まず、クレアチンは水に溶けにくいため、粉薬のように口に入れ、水で流し込む方法をオススメします。
プロテインシェイカーで溶かして飲む
シェーカーで溶かす際は底にとけ残っている場合が多々あるため、多少じゃりじゃりしても全部飲み込みましょう。
飲むタイミング 効果的な服用方法
クレアチンはインスリンと呼ばれる糖を摂取した際に分泌されるホルモンによって体内に取り込まれるため、糖類と一緒に摂取すると効果的です。ジュースなどもおすすめです。
そのため朝昼晩の食事で糖質を摂取した後、つまり食後に飲むとクレアチンの効果を高めることができます。
また、筋細胞のエネルギー取り込みが活発なタイミングである筋トレ後の摂取もおすすめです。
服用時の注意点
注意点としてはクレアチンを飲むとのどが渇き、尿意を催すため摂取量は自分の生活に合わせて調節することをおすすめします。もちろん水分補給を忘れないでください。
クレアチンのローディングとは?やり方を解説
クレアチンは体内に蓄えることで効果を発揮するためには飲み始めとして「ローディング」と呼ばれる期間が必要です。
ローディング方法
ローディングは基本1日2~4回、1回5gを目安にクレアチンを摂取し、体内にクレアチンを蓄えます。
通常体内に蓄えられるクレアチンの量は体重1kgあたり2gです。もし70kgの人ならば、2g×70=140gをローディングすることになります。
つまり、1日20gのクレアチンを摂取すればローディングは140÷20=7日より、1週間でローディングが完了する計算になります。
ローディングの必要性
急ぐ必要がない方はローディングをせず、後述のメンテナンスに入っても毎日5gのクレアチンを飲めば140g÷5g=28日でクレアチンの備蓄が完了することになります。
メンテナンス期
ローディングが完了したら次は「メンテナンス」と呼ばれる期間に入ります。クレアチンは毎日2gずつ消費されていくため、ローディング後は1日2~5g程度を目安にクレアチンを摂取し、体内のクレアチン量を維持してください。
休止期は必要?
2〜3ヶ月のメンテナンス期を終えたらクレアチンの摂取をやめる「休止期」を設けるやり方もありますが、科学的な根拠に乏しく信憑性はあまりありません。休止期の有無は好みに合わせてでいいと思います。
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クレアチンのおすすめの飲み方 飲んでみた感想
実際に筆者もクレアチンのローディングを行いました。最初はシェーカーで溶かしていたのですが、どうしても溶け残りがでるためすぐに粉薬のように飲む方法に変えました。
ローディング後はベンチプレスが普段より2reps多くあがり、スクワットの重量も10kg上げることができました。
クレアチンやカフェイン、ある種のハーブなどは、すぐに効果を体感できる。100の能力が120になれば、誰でもすぐに気が付くというもの。
しかしプロテインやビタミン、抗酸化物質などは、100の能力が101になるようなもので、よほど敏感な人でないと効いているのかどうかわからない。
— Yoshinori Yamamoto (@claymoreberserk) 2016年5月5日
クレアチンの少しマニアックなメカニズム
「クレアチンは筋肉にエネルギーを供給する」とは言うけれど、エネルギーなら糖質でいいじゃん!と思いますよね。そこで筋肉のエネルギーとは何か、クレアチンがどのように働き、なぜ効果があるのかを詳細に解説します。
筋肉で用いられるエネルギーの形
まず、筋肉に限らず全ての細胞は糖質や脂質を直接エネルギーにするのではなく、ATPと呼ばれる物質をエネルギーにして活動しています。
しかしATP備蓄量には限度があり、細胞内のATPが枯渇すると燃料となる糖質や脂質からATPを合成し、エネルギーを生み出す必要があります。
糖質からエネルギー(ATP)を合成する場合
糖を燃料としてエネルギーを生み出す場合、上の図のように10回もの化学反応からなる「解糖系」と呼ばれるメカニズムを利用して糖からATPを合成します。
この解糖系を用いると無酸素運動下でも約33秒間分のエネルギーを取り出すことができますが反応の工程が多く、瞬時にエネルギーを供給することはできません。
例えるなら石油から電気を作ろうとしても、発電には時間と手間がかかるような状態です。
クレアチンからATPを合成する場合
では、ATPが枯渇した場合、即座にエネルギーを供給するためには何が必要か。その答えこそクレアチンです。
クレアチンからエネルギーを生み出す場合、上の図のように1回の化学反応からなる「ATP-CP系」と呼ばれるメカニズムを利用して約7秒間分のエネルギーを即座に取り出すことができます。
さらにクレアチンは何度もエネルギーを蓄え再利用することができるため、例えるならモバイルバッテリーから電気を取り出しているようなものです。
クレアチンはAmazonよりマイプロテインやiHerbで購入がおすすめ
できるだけ安く高品質なものを買うにはクレアチンはマイプロテインやiHerbで購入することをお勧めします。
理由は圧倒的に価格が安いからです。1キロあたりの値段が2000円から3000円でマイプロテインやiHerbでは購入できますが、Amazonだと5000円以上します。
そのため送料込みでもマイプロテインやiHerbで購入する方が安くおすすめです。
また、一定額以上購入すればマイプロテインやiHerbも送料が無料になります。プロテインやBCAAなど他のサプリメントと一緒に購入することでよりお得に購入することができます。
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クレアチンのおすすめランキング
クレアチンはたくさんあってどのサプリメント会社のを飲めばいいのか分からない方も多いと思います。ここではおすすめランキングで紹介します。
クレアチンはプロテインとは異なり単一分子からなる物質のため、価格重視で選んで問題ありません。
数あるクレアチンの中には、クレアチンモノハイドレート(クレアチン一水和物) 以外にもクレアルカリンのほうが効果が高いと言っている製品があります。しかし実際にカプセルなどの中身は同じなのです。
そのため価格の安いクレアチンモノハイドレート(クレアチン一水和物)をおすすめします。
クレアチンはモノハイドレートがいいですよ。様々な研究で効果が立証されてるのはモノハイドレートですから。
逆に言うと他のクレアチンは十分に効果が立証されてません。
— OJSN (@iamojsn) 2017年1月13日
1位 Myprotein
マイプロテインのサイトから購入することができます。250gあたりカプセルタイプは3200円、粉末タイプは1060円ですがセールでさらに30%-60%程度の割引がつくこともあるためコスパが高くオススメです。
粉末タイプのほうがより安くておすすめですが、カプセルタイプのほうが持ち運びがしやすく飲みやすいので財布に余裕のある方にはカプセルタイプもおすすめです。
クレアチン(カプセルタイプ)
マイプロテインのクレアチン(カプセルタイプ)
の詳細と購入はこちら
クレアチン(粉末タイプ)
マイプロテインのクレアチン(粉末タイプ)
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2位 Now Foods
iHerbで購入することができます。海外のメーカーで1kgあたり2,141円と、定価自体が安いためオススメです。
3位 Optimum Nutrition, クレアチン2500キャップス、200カプセル
こちらもiHerbで買うことができます。クレアチンは混ざりにくいため、飲みづらいという方にはこちらのカプセルタイプのものをおすすめします。
Optimum Nutritionのクレアチン
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カプセル仕様なので味や飲みづらさを気にせず摂取することができます。
クレアチンのAmazonおすすめ
マイプロテインやiHerbで安価で高品質なクレアチンが手に入りますが、Amazonで購入したいという方におすすめな商品も紹介します。
オプティマムニュートリション クレアチンパウダー 600g
アメリカの人気メーカーです。600gあたり3,475円と割高ですが、prime対応のため手っ取り早く手に入れることができます。
バルクスポーツ クレアチン 200g
国内メーカーのバルクスポーツが販売しているクレアチンです。
1kgで6301円(2017/10/15 21:27時点)とマイプロテインやNow Foodsに比べて高額ですが、国内メーカーを購入されたい方はこちらをおすすめします。
アマゾンプライムにも対応しているためすぐ自宅に届くのは嬉しいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。クレアチンは多くのサプリメント会社が出していて実際にどのクレアチンを購入すればいいのか迷うこともあると思いますが、おすすめのクレアチンを参考にしてみてください。
クレアチンはしっかりと摂れば比較的効果を実感しやすいサプリメントです。ローディングや飲み方についてもこの記事を参考にしてみて是非クレアチンの効果を体感してみてください。
クレアチン以外のマイプロテインでおすすめのサプリメントはこちら
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