マルトデキストリンとはデンプンを一部分解して得られる炭水化物です。ワークアウトドリンクやカーボアップドリンクとしての使い道が挙げられます。筋タンパクの分解を防ぐ役割を担います。そこで本記事では飲み方や効果、ブドウ糖や粉飴との違いについても解説していきます。
Contents
炭水化物とは?
炭水化物は単糖を構成成分とする有機化合物です。分子式がCmH2nOnで表せ、Cm(H2O)nと書き換えると炭素に水が結合しているように見えるため炭水化物と呼ばれました。身のまわりのもので言うと、ごはん・パン・パスタなど主食となるものに多く含まれています。
炭水化物は糖質と食物繊維!
炭水化物は良質なエネルギー源となります。炭水化物は糖質と食物繊維の二種類あります。
糖質は消化吸収されエネルギーとなり、筋肉や肝臓に蓄えることもできます。一方で食物繊維は消化吸収されないものの、コレステロールを減らしたり、満腹感をもたらしたりなど数多くの役割を担います。
糖質とは?
糖質は結合している数から単糖類・二糖類・多糖類の三つに分類されます。糖質を摂取すると血糖値が上昇し、その血糖値の上昇を抑えようとインスリンが作用し、その後に元の血糖値へと戻ります。以下にその代表的なものをまとめます。
単糖類:ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース、マンノース
二糖類:ショ糖(スクロース)、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)
多糖類:デンプン
マルトデキストリンとは?
デンプンを一部分解したものをデキストリンと呼びます。その中でも、デンプンの糖化率(DE:dextrose equivalent)によって粉飴・マルトデキストリン・デキストリンの三種類に分類されます。従ってマルトデキストリンも粉飴も同じデキストリンの一種です。
大半のマルトデキストリンがトウモロコシのデンプンを分解して作られています。そのため、マルトデキストリンのマクロ栄養素は100%炭水化物になります。
マルトデキストリンのカロリーは?
前述した通り、マルトデキストリンのマクロ栄養素は100%炭水化物です。そのため、マルトデキストリン1gあたり4kcalです。
通常のデンプンと比べて一部が分解済みであるとはいえ、カロリーは炭水化物と変わりません。マルトデキストリンはデンプンなどの炭水化物より消化吸収が早いものの、それらと同じ1gあたり4kcalのカロリーを持ちます。
マルトデキストリンと粉飴とブドウ糖の違いは?
デンプンの糖化率の差でマルトデキストリンと粉飴は区別されます。そしてデンプンが完全に分解されることでブドウ糖になります。糖化率はそれぞれ、デンプンが0、マルトデキストリンが10~20、粉飴が20~40、ブドウ糖が100とされています。つまり、糖化率が高いほどデンプンからブドウ糖へと分解されており、より粘度は低く甘さが増します。
すなわち、消化される速さとしてはブドウ糖>粉飴>マルトデキストリン>デンプンの順になります。しかし、小腸から体内への吸収を考える際には浸透圧が低い方が有利となります。そこでデキストリンの仲間であるマルトデキストリンや粉飴がおすすめされます。以下の項で価格についても比較しますが、マルトデキストリンが最も低価格で入手可能なので一番のおすすめです。
マルトデキストリンのおすすめの飲み方・タイミング・効果 血糖値を上げるとは?
それではマルトデキストリンの飲み方とその効果を解説します。マルトデキストリンの飲み方としてはワークアウトドリンクとしてBCAAと共に水に溶かす方法が主流です。その理由について解説します。
トレーニングが始まると体内では、筋タンパクの合成より分解が激しくなります。これを防ぐために運動中に吸収の早い糖質を摂取することがおすすめされます。加えて、強度・時間を問わず運動パフォーマンスが改善されるという報告もあります。
筋トレ直前に炭水化物を摂取しない
運動直前に糖分を摂取するのは避けましょう。トレーニング前に血糖値が上昇し、それを抑えるためにインスリンが作用し、トレーニング中に低血糖になってしまう可能性があるからです。
筋トレ中にBCAAとともに
先ほども解説したように、トレーニング中は筋タンパクの分解が激しくなります。そのため、トレーニング開始後に素早く吸収される糖質やアミノ酸が必要です。そこでワークアウトドリンクにはBCAAだけでなく、分解の必要が少ないマルトデキストリンをおすすめします。トレーニングを開始したら摂取しましょう。
消化の速さでは既に分解されているブドウ糖が思いつきますが、吸収の速さを考える上では浸透圧が低いマルトデキストリンがおすすめです。小腸から水分が吸収される際には浸透圧が低い方が有利となるからです。
筋トレ後にプロテインとともに
トレーニング終了直後は血流が筋肉に行くのでこのタイミングでは消化の必要のないアミノ酸の摂取がおすすめされます。トレーニング終了から数十分後の血流が戻った段階で糖質とプロテインの摂取をしましょう。
寝る前と朝起きた後にプロテインとともに
こちらは必須ではありませんが、余裕がある場合におすすめの飲み方です。身体が動いていないものの、睡眠中も身体の中では絶えず細胞が活動しています。そのため、睡眠中の栄養補給のため、そして朝起きてからの素早い栄養補給のためにプロテインとマルトデキストリンを合わせて飲むことがおすすめできます。
一度に飲むマルトデキストリンの量は?
一度に飲むマルトデキストリンの量ですが、体重1kgあたり1gの摂取をおすすめします。体重が70kgなら70gの摂取です。
というのも、トレーニング中の糖質摂取により強度・時間にかかわらず運動パフォーマンスが向上したという報告、体重1kgあたり1gの糖質をトレーニング後に摂取することでタンパク分解を抑えたという報告があるとされているからです。
マルトデキストリンが糖尿病などの副作用の原因になる?
糖尿病とは、血糖値が常に高くなっている状態をさす疾患です。インスリンが正常に機能しなくなることで発症します。というのも、炭水化物を摂取し血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され血糖値を下げようと作用します。
マルトデキストリンや粉飴を飲むと血糖値が上昇します。そこで正常にインスリンが作用すれば糖尿病の心配はありません。これはマルトデキストリンや粉飴に限らず、あらゆる炭水化物を摂取した場合に共通して言えます。従ってマルトデキストリンや粉飴が直接の原因になることはありません。しかし、糖尿病などすでにインスリンの働きに難がある場合にはおすすめできません。また、一日に自分が摂取しているPFCバランスを大まかにでも把握しておく必要があります。極端に炭水化物を継続的に過剰摂取してしまっていると、いくらインスリンの働きがあろうと血糖値が上昇したままになってしまう可能性もあります。
トップ選手のマルトデキストリンの飲み方は?
マッスルマニアのプロクオリファイをもつケビン選手
マッスルマニアヨーロッパ大会で優勝し、プロクオリファイを獲得したケビン選手がワークアウト中に飲むサプリメントとして、BCAA、CCD、マルトデキストリンが挙げられています。
メンズフィジーク優勝経験もあるトレーナーの今古賀翔(shofitness)選手
クラウドファンディングで1300万円を超す資金調達をして福岡に本格的なウェイトトレーニングジムを開設する今古賀翔(shofitness)選手もマルトデキストリンを使用しています。「マルトデキストリンとホエイプロテインとクレアチンをトレーニング中に飲む」そうです。以下に参考動画を掲載します。飲む量とタイミングは体重1kgあたり1gのマルトデキストリンをワークアウト中とワークアウト後に摂取することをすすめています。
ナローデッドリフト300kgのユーテツ選手
ナローデッドリフトをノーギアで300kg挙げたユーテツ選手は以前マッスルホールディングスのインタビュー時にマルトデキストリンを使用していると回答しています。ワークアウト中にBCAAとマルトデキストリンを混ぜて水に溶かし合計1L飲むようにしているそうです。
マルトデキストリンをウェイトゲイナーに使う!
マルトデキストリンの栄養成分は100%炭水化物です。そのため、プロテインと一緒に飲むことで自作のウェイトゲイナーとなります。増量期の人にとって重宝するのが炭水化物を摂取する方法です。その代表格がウェイトゲイナーです。増量に関する記事やカロリー摂取法の記事でも詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
粉飴とマルトデキストリンの価格を比較 安いのはマイプロテイン
マルトデキストリンを格安で仕入れるならセール時にマイプロテインで買うことをおすすめします。セール時であれば1kgあたり330円以下(1640円/5kg)で購入できます。以下に紹介する粉飴と比較してもかなりの低価格となっています。
ちなみにトレーニーの間でよく飲まれている粉飴としては、H+Bライフサイエンス社の粉飴顆粒が挙げられます。こちらは1kgあたり700~800円となっています。
スポンサーリンク
まとめ
いかがでしたか。今回はワークアウトドリンクとして使えるマルトデキストリンの解説をしました。増量期にはウェイトゲイナーとして使うことも可能です。価格も非常に抑えて購入することが可能です。身体を効果的に大きくしていくうえで非常に役に立つサプリメントです。それぞれのサプリメントの効果を理解して効率的にトレーニングを行いましょう!
この記事を読んだ方におすすめの記事はこちら
スポンサーリンク
衝撃