ケトルベルの特徴とトレーニング方法を男性女性問わず初心者から上級者向けまで紹介します。筋肥大を目的とした筋トレをしている方は、ケトルベルを知っていても使ったことがないことが多いでしょう。
ボディメイクやスポーツをする方にも効果的なやり方や注意点を徹底解説します。
Contents
- ケトルベルの特徴とは
- ケトルベルの適切な重さは? 重量設定と選び方
- ケトルベルトレーニングを効果的に行う基本テクニック
- ケトルベルの注意点
- ケトルベルの難易度別トレーニングを紹介(ターゲット部位+種目名)
- 初心者向けケトルベルトレーニング19種目
- 【三角筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】スイング
- 【三角筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】ハンドトゥハンドスイング(ハンドパス)
- 【上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】クリーン
- 【前腕筋群・上腕二頭筋・広背筋・ハム・大腿四頭筋・大臀筋】デッドクリーン
- 【三角筋・上腕三頭筋】プレス
- 【大腿四頭筋・ハム・大臀筋】スクワット
- 【僧帽筋・三角筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】ハイプル
- 【三角筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】スナッチ
- 【三角筋・上腕三頭筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】デッドスナッチ
- 【上腕二頭筋・広背筋・僧帽筋】ワンハンドロー
- 【広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】デッドリフト
- 【大胸筋・上腕三頭筋・腹筋】プッシュアップ(腕立て伏せ)
- 【大腿四頭筋・ハム・大臀筋】ランジ オーバーヘッドランジ
- 【前腕筋群・ハム・大臀筋】ポップアップ
- 【腹筋・上腕三頭筋・三角筋・大腿四頭筋】エルボー・トゥ・ニー・プレス
- 【大腿四頭筋・ハム・大臀筋】フロントスクワット(ゴブレットスクワット)
- 【広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】スーツケースデッドリフト
- 【大胸筋・上腕三頭筋】フロアプレス
- 【大胸筋・上腕三頭筋・腹筋】ハーフゲットアップ
- 中級者向けケトルベルトレーニング11種目
- 上級者向けケトルベルトレーニング6種目
- タバタ式トレーニングなどのHIITに組み込む応用編
- ケトルベルの買い方 値段が安いのはAmazon?楽天?格安で購入できる通販は?
- まとめ
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ケトルベルの特徴とは
ケトルベルは金属でできたおもりの玉部分に取っ手がついたトレーニング器具です。やかん(kettle)のような見た目からケトルベルト呼ばれます。ダンベルの一種とも言えますが、特徴は大きく異なります。
20分で272kcalのカロリー消費!?圧倒的な消費カロリーでダイエットや減量に
ケトルベルは有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行っているといえます。そして驚くべきはその消費カロリーです。
アメリカエクササイズ協会(American Counsil on Excercise)が発表した報告では20分間のケトルベルエクササイズで272kcalの消費が確認されました。この結果は他の有酸素運動と比べて圧倒的な消費カロリーになります。
体幹や足腰お尻を鍛えたい女性に特におすすめ
ケトルベルの種目では全身の筋肉を各部位ごとに狙うことができます。その中でも定番な種目である「スイング」などでは特に体幹や足腰お尻の筋肉をまとめて鍛えることができます。
海外のフィットネスジムでは多くの女性がケトルベルトレーニングに取り組んでいる様子が見られます。
瞬発力やパワーを鍛えたい人におすすめ
ケトルベルはスポーツを行っている方に向けたトレーニングとしても採用されています。ケトルベル種目の多くは一気に筋肉を出力するものが多く、瞬発力やパワーを鍛えることができます。
ダルビッシュ有選手など、プロスポーツ選手の間でもケトルベルトレーニングを取り入れている方がいます。
世界大会の競技としても開催される
ケトルベルトレーニングは単なるダイエット向けエクササイズやスポーツ選手向けの補助種目ではありません。
インターナショナルユニオンオブケトルベル(IUOK)やアメリカンケトルベルアライアンス(AKA)など海外では数多くのケトルベル組織が存在し、世界大会まで開催されています。
規模としてはボディビルやフィジークコンテストに劣るものの、ケトルベルが盛んであることがわかります。
ケトルベルを使う目的 ダンベルやバーベルとの違い
ケトルベルはダンベルの一種と言えると前述しましたが、ここでダンベルやバーベルとの明確な違いを説明します。
ダンベルやバーベルでは握ったときの安定感から、1つの部位にピンポイントで効かせることに向いています。
一方でケトルベルはその形状から、握った後も不安定な運動となることが多いです。そのためターゲット部位周りの複数の筋肉をも使い安定させます(スタビライゼーション)。
そのため、一つの種目で複数の筋肉に刺激を与えます。また、グリップ回りも滑りやすい仕上がりになっているので、振り回して遠心力を用いたトレーニングなども行うことが可能です。
ケトルベルの適切な重さは? 重量設定と選び方
ケトルベルはダンベルと同じように様々な重量で販売されています。一般的に4~24kgの範囲が主流ですが、それより軽い2kgのものや、48kgといった高重量まであります。
男性は10~14kg程度、女性は4~6kg程度から始めることが多いです。しかし、ダンベルやバーベルトレーニングとは種目によってフォームや効き方が大きく異なるので、無理のない重さでより軽い重量から始めることをおすすめします。
ケトルベルには競技用のスチール製や通常のキャストアイアン(鋳鉄)製のものがあります。自宅で行うのに適したケトルベル自体がビニールでカバーされたものもあります。
初心者の方は通常のキャストアイアン製や床を傷付けないようビニールで保護されたもので良いでしょう。中国で作られるものがケトルベルの大半です。
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ケトルベルトレーニングを効果的に行う基本テクニック
足幅やつま先の向きを意識したフォームと握り方
種目によって足幅などの姿勢は異なりますが、基本は肩幅かそれよりやや広い足幅を取り、つま先を真正面から30度ほど外に向けます。スクワットの基本姿勢に近いです。
ケトルベルの握り方は、ダンベルの握りと少し異なります。指の第二関節から第三関節あたりがバーに当たるようにして握りましょう。
種目によってケトルベルを回転させたり滑らせたりする際にはバーの内側(右手で握る際はバーの左側、左手で握る際には右側)の角を親指と人差し指の間に引っ掛けるように持つこともあります。
脚やお尻に効かせるためのヒップドライブ
ヒップドライブとはスクワットでも使うテクニックですが、ケトルベルでのヒップドライブとは少々異なります。
スクワットでは、しゃがんだ身体を持ち上げる際に、お尻に意識を集中させ、お尻から身体を持ち上げるというテクニックです。
一方でケトルベルでは、しゃがむというよりも股関節を曲げてお尻を後ろに引いてからお尻を前に突き出し、股関節を伸ばします。
この時のお尻を意識した動きをヒップドライブと呼びます。ケトルベルで脚やお尻を鍛えたい場合にはこのヒップドライブが必須になります。
ハムストリングスが伸展する感覚と大臀筋を収縮させる感覚をつかみましょう。
ケトルベルの注意点
自宅で行う場合は十分なスペースを
ケトルベルはダンベルやバーベルと異なり、ベンチなどの他の物を使わずにトレーニングができるので自宅トレーニングにも向いています。
しかしながら、ケトルベルトレーニングの多くはケトルベルを振り回す動きを伴うので、十分なスペースを確保し壁や床にぶつからないように気を付けましょう。
ケトルベルの定期的な手入れをおすすめ
ケトルベルは全面金属になっているものが多く、長期間利用を重ねると錆び付く場合があります。
特にグリップ部分は手の中で滑らせる事が多いので、錆び付いていない滑らかな状態が好ましいです。トレーニング後に手汗がついたら拭き取ったり、湿気のないところで保管しましょう。
グリップ部に滑らかさがなくなってきたと感じたら紙やすりなどで軽く磨くのもよいでしょう。
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ケトルベルの難易度別トレーニングを紹介(ターゲット部位+種目名)
初心者向けから中級者、上級者向けの種目まで全36種目をまとめて紹介します。あわせて、簡単にやり方も解説していきます。
鍛えたい部位の種目を探して、自分のレベルと合わせてチェックしてみてください。
初心者向けケトルベルトレーニング19種目
【三角筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】スイング
スイングはケトルベルトレーニングの中で最も有名な種目です。腰を使い、股の間から前方に向かってケトルベルを振り上げる動きです。
ケトルベルを2つ握って行う方法をダブル・スウィングと呼びます。
1. 肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを両手(もしくは片手)で持ち床に置きます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3. 股関節を立てるようにお尻を前に突き出し、その勢いでケトルベルを胸の高さまで上げます。腰も軽く反ります。
4. 腕を振り子のように使い、股関節と膝も曲げつつお尻を引き、持ち上げたケトルベルを再び股の間から後ろへ引きます。1と同じ動きです。
5. 上記の運動を繰り返します。徐々に慣らしていき、15~20回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
【三角筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】ハンドトゥハンドスイング(ハンドパス)
スイングに似ており、スイングの軽い応用種目です。スイングをマスターした後に挑戦しましょう。
1. 肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを片手で持ち床に置きます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3. 股関節を立てるようにお尻を前に突き出し、その勢いでケトルベルを胸の高さまで上げます。腰も軽く反ります。
4. 胸まで上げたケトルベルを、素早くもう一方の手に持ち替えます。胸まで上がり切ってケトルベルの動きが止まったタイミングで持ち替えましょう。
5. 腕を振り子のように使い、股関節と膝も曲げつつお尻を引き、持ち上げたケトルベルを再び股の間から後ろへ引きます。1と同じ動きです。
6. 上記の運動を繰り返します。徐々に慣らしていき、15~20回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
【上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】クリーン
バーベル種目として知られるクリーンをケトルベルで行います。片手で取り組む点とケトルベルの遠心力を使うという点でバーベルの場合と異なります。
2つのケトルベルを使って両手で行うクリーンをダブル・クリーンと言います。
上半身を半回転ひねりながらケトルベルを半円の軌道になるように振りながら行うクリーンをサークル・クリーンと言います。
1. 肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを片手で持ち床に置きます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3.股関節を立てるようにお尻を前に突き出し、スクワットの要領もあわせ膝を伸ばします。その勢いでケトルベルを腰から胸の高さまで上げます。
4. ケトルベルを持ち上げてきたタイミングで、ケトルベルの下に入れるように肘を折り、ケトルベルを回転させ手の甲側に回しこみます。
5.両脚を伸ばしきり、腕を身体に近づけ、ケトルベルを腕の上に乗せます。手の平はやや内向きにしてケトルベルが親指と人差し指の間に引っかかっている状態です。ラックポジションとも言います。
6. ケトルベルを下ろし、上記の運動を繰り返します。徐々に慣らしていき、15~20回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
【前腕筋群・上腕二頭筋・広背筋・ハム・大腿四頭筋・大臀筋】デッドクリーン
デッドクリーンはクリーンとほぼ同じ動きですが、ケトルベルの遠心力を使えない点で異なります。バーベルのクリーンに近い動きです。
1. 肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを片手で持ち床に置きます。
2. 膝を曲げ、腰を落としスクワットのボトムポジションのような状態を取ります。
3. スクワットの要領で立ち上がると同時にケトルベルを真上に引き上げます。
4. ケトルベルを持ち上げてきたタイミングで、ケトルベルの下に入れるように肘を折り、ケトルベルを回転させ手の甲側に回しこみます。
5. 両脚を伸ばしきり腕を身体に近づけ、ケトルベルを腕の上に乗せます。手の平はやや内向きにしてケトルベルが親指と人差し指の間に引っかかっている状態です。ラックポジションとも言います。
6. ケトルベルを下ろし、上記の運動を繰り返します。徐々に慣らしていき、15~20回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
【三角筋・上腕三頭筋】プレス
三角筋と上腕三頭筋を鍛えるプレスを紹介します。バーベルのショルダープレスに近い動きです。
1. ラックポジションを取ります。
2. 腕を真上に持ち上げ肘を伸ばしきります。この時、腕が身体から離れないよう耳の近くにあることを意識します。
3.同じ軌道でケトルベルをまっすぐ下ろし、ラックポジションに戻ります。
4. 上記の運動を繰り返します。徐々に慣らしていき、10回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
【大腿四頭筋・ハム・大臀筋】スクワット
バーベルのフロントスクワットやダンベルを利用したスクワットと似た種目です。他の器具を用いたスクワットより重量が軽く、正しいフォームを意識しやすいです。
ケトルベルを両手に1つずつ持つ方法をダブル・スクワットと呼びます。
1. 脚を肩幅程度に開き、つま先を15°~30°程度外に向けケトルベルを持ちます。持ち方は様々で、ラックポジションに持つ方法もあれば、ケトルベルを持った両腕を伸ばし、股下に位置させる方法もあります。
2. そのまま膝を曲げしゃがみます。フロントスクワット同様、重心が脚の土踏まずのラインに来るよう意識しながら上体を倒しすぎず、ややお尻を後ろに引きます。
3. お尻を引いてしゃがんだ後、ヒップドライブを意識してお尻から足全体を使って勢いよく立ち上がります。
4. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【僧帽筋・三角筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】ハイプル
ハイプルはケトルのみに見られる独特な種目です。他の種目と異なり動きのイメージがつかみにくいかもしれませんが、軽い重量で練習してマスターしましょう。
1. 脚を肩幅程度に開き、つま先を15~30°程度外に向けケトルベルを片手、もしくは両手で持ちます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3. ヒップドライブを意識してお尻を前に突き出しながら、腕をてこのように使った遠心力で胸のあたりまでケトルベルを持ち上げます。
4. 胸のあたりまで上がったケトルベルをそのまま斜め後ろに引き上げます。肘の高さは肩の位置あたりです。肩甲骨を使って、腕で引くというよりも肘から斜め上に引き上げるという感覚です。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に取り組みましょう。
【三角筋・上腕三頭筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】スナッチ
ケトルベル種目の中で最も定番ともいえる種目です。バーベルでのスナッチよりも、手首のスナップでおもりを返しやすいので、初心者でも取り組みやすいと思われます。
1. 脚を肩幅程度に開き、つま先を15~30°程度外に向けケトルベルを片手で持ちます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3. ヒップドライブを意識してお尻を前に突き出しながら、腕をてこのように使った遠心力で胸のあたりまでケトルベルを持ち上げます。
4. 胸のあたりまで持ち上げ、遠心力でケトルベルの重さが弱まったタイミングで手首のスナップでケトルベルを返し、手の甲側へケトルベルを回転させます。
5. そのまま真上にパンチをするようにして腕をまっすぐ伸ばします。肘を伸ばしきります。腕は身体から離れないよう、耳の近くで伸ばします。
6. おもりを下ろしてスタートポジションに戻ります。そして上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【三角筋・上腕三頭筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】デッドスナッチ
ケトルベルを床につけた状態から行うスナッチです。遠心力を使えないため、通常のスナッチよりも脚や背中の筋肉を動員する必要があります。
スナッチで物足りなくなった方は挑戦してみましょう。
1. 脚を肩幅程度に開き、つま先を15~30°程度外に向けケトルベルを片手で持ち地面に置きます。この際、膝と股関節も曲げます。デッドリフトのスタートポジションのような形です。
2. ハムとお尻を意識して、立ち上がるようにしてケトルベルを持ち上げます。
3. 立ち上がりながら肘からケトルベルを真上に引き上げ、胸のあたりまでケトルベルが上がったら手首を返します。スナッチと同様にケトルベルが回転し手の甲側に回り込みます。
4. スナッチと同様に真上にパンチするようにして腕をまっすぐ伸ばします。この際、腕が身体から離れないように注意しましょう。腕は耳のそばで真上に伸ばしきります。
5. ケトルベルを下ろし、スタートポジションに戻ります。上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【上腕二頭筋・広背筋・僧帽筋】ワンハンドロー
ダンベルのワンハンドローと同じです。ダンベルでワンハンドローを行う際には、重りを持たない手を壁やベンチに置いて身体を支えますが、ケトルベルでは支えに使わない方もいます。
自分のやりやすい方法で行いましょう。
1. 脚を前後に開き、骨盤から身体を前方に倒します。前側の脚が90°程度に曲がり、膝がつま先のあたりに来るようにします。後ろの脚は軽く膝が曲がり楽な姿勢となる位置に置きます。
2. ケトルベルを片手で持ち、前足の横あたりで腕を伸ばし軽く肘を曲げます。この時広背筋に負荷が乗っていることを確認しましょう。
3. 肘からケトルベルを引き上げます。肩の高さは変えないようにし、上半身が開いて回転するのを防ぎましょう。また、背中を丸めず、しっかりと広背筋の収縮を意識します。
4. 肘から引き揚げたケトルベルが脚の付け根あたりまで持ちあがったら、ゆっくりスタートポジションまで下ろします。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】デッドリフト
バーベル種目の定番として知られるデッドリフトです。おもりを振り回す必要がないため、ケトルベル種目を行う上での脚の使い方を練習するのに非常に有効な種目です。
1. 脚を肩幅よりやや広めにとります。つま先は真正面もしくはやや外向きです。内を向かないようにしましょう。
2. 膝と股関節を曲げお尻を少し後ろに引くようにして軽くしゃがみます。脚の間にケトルベルを置き、両手で持ちます。この際、背中が丸まらないようまっすぐにしたまま、股関節を起点に上半身も軽く倒します。
3. ハムと大臀筋を意識して膝を伸ばし、それに合わせて身体も起こします。背中が丸まらないように注意し、ケトルベルが身体の近くを通るように意識しましょう。
4.膝を伸ばし、身体を起こしきったら、スタートポジションまで同じ軌道で戻ります。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【大胸筋・上腕三頭筋・腹筋】プッシュアップ(腕立て伏せ)
ケトルベルに手を置いて行ういわゆる腕立て伏せです。通常の腕立て伏せよりも可動域を広くとることができ、またバランスを取るために腕立て伏せ以上に小さな筋肉をスタビライゼーションとして稼働させます。
今回紹介する方法はケトルベルをプッシュアップバーの代わりに使う方法です。
1. 2つのケトルベルを地面に置きプッシュアップバーに見立てて、腕立て伏せの姿勢を取ります。
2. ケトルベルの取っ手を真上から垂直に握り身体を支えます。手を中心に置いた腕立て伏せのような姿勢です。
3. そのまま腕立て伏せを行います。大胸筋の収縮と伸展を意識しながら行いましょう。肘が痛くならない可動域で身体を下ろし、そのまま元の姿勢まで戻ります。
4. 3の動きを繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標におこないましょう。
【大腿四頭筋・ハム・大臀筋】ランジ オーバーヘッドランジ
ランジは脚を鍛える種目の中でも、ハムや大臀筋を意識しやすい種目でヒップアップを目指す女性に特におすすめです。
ケトルベルを持った腕を真上に伸ばし切ったまま行うランジをオーバーヘッドランジと言います。
1. 脚を肩幅程度に開き、両手もしくは片手にケトルベルを握ります。この他に、ラックポジションに持って行う方法もあります。
2. そのまま片足を前方に踏み出し膝が90°曲がる程度までしゃがみます。両足が一直線上になるように意識し、また、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。
3. スタートポジションに戻り、逆脚も同様に行います。
4. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セット行うのを目標に取り組みましょう。
【前腕筋群・ハム・大臀筋】ポップアップ
デッドリフトのような動きから軽くケトルベルを垂直に投げ上げてキャッチする動きです。種目としてはあまり主流ではなく、補助的な種目です。
前腕筋群を鍛えることができます。ケトルベルを顔にぶつけないように注意しましょう。
1. デッドリフト同様のスタートポジションを取ります。脚を肩幅に開き、膝と股関節を軽く曲げてしゃがみ床に置いたケトルベルを両手で握ります。
2. デッドリフトの要領でハムと大臀筋に力を入れ立ち上がります。立ち上がるに合わせ前腕も曲げてケトルベルを持ち上げ、そのままケトルベルを胸の高さまで投げ上げます。
3. 膝を伸ばして立ち上がりきると同時に、胸の位置まで投げ上げられたケトルベルを両手でキャッチします。
4. スタートポジションに戻り、上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【腹筋・上腕三頭筋・三角筋・大腿四頭筋】エルボー・トゥ・ニー・プレス
プレスからさらにバランスと大腿四頭筋への刺激を追加し多様な種目です。
慣れるまでは身体がフラつく可能性が高いので、軽めの重量で行いましょう。
1. ラックポジションから腕を真上に伸ばし切った姿勢になります。脚を肩幅程度に開き、手の平の親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛けて手の甲側に持ち腕を伸ばします。
2. そのままプレスの軌道を意識して肘を曲げつつケトルベルを下ろしながら、重りを持ってる側の脚を膝から曲げて持ち上げます。
3. 肘と膝がくっつくように近づけていき、腹斜筋の収縮と三角筋・上腕三頭筋の伸展を意識します。この時、片脚のみで立っている状態です。バランスをしっかりとりましょう。
4. 可動域限界まで肘と膝を近づけたら、元のスタートポジションまで戻ります。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【大腿四頭筋・ハム・大臀筋】フロントスクワット(ゴブレットスクワット)
既に紹介したスクワットの変形として、フロントスクワットを紹介します。ケトルベルを身体の前面で持つので上半身が倒れこむのを防ぎやすいです。
1. 脚を肩幅か少し広い程度に開き、つま先を15~30°程外に向けます。ケトルベルは両手で球の部分もしくは取っ手の横部分を持ち、胸の高さに抱えます。
2. 重心が足の裏のど真ん中のラインにあり続けるように意識しながら、膝を曲げ、お尻を軽く引きながらしゃがみます。ローバースクワットと異なり、フロントスクワットなので膝がつま先より前に出ても大丈夫です。
3. ハムが伸びていることを意識しながらしゃがむことが出来たら、同じ軌道で立ち上がりスタートポジションに戻ります。この時大臀筋の収縮を意識しましょう。
4. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】スーツケースデッドリフト
先ほど紹介したデッドリフトと異なり、片手でケトルベルを体側に持つデッドリフトです。
脚の筋力が左右で異なる方、重心が左右どちらかに偏っている方の矯正種目としても使えます。
1. 脚を肩幅もしくはそれよりやや広めにとります。つま先は真正面もしくはやや外向きです。内を向かないようにしましょう。
2. 膝と股関節を曲げお尻を少し後ろに引くようにして軽くしゃがみます。片手でケトルベルを体側に持ちます。この際、背中が丸まらないようまっすぐにしたまま、股関節を起点に上半身も軽く倒します。
3. ハムと大臀筋を意識して膝を伸ばし、それに合わせて身体も起こします。背中が丸まらないように注意し、ケトルベルが身体の近くを通るように意識しましょう。
4.膝を伸ばし、身体を起こしきったら、スタートポジションまで同じ軌道で戻ります。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、逆側でも同様にセットを行います。それぞれ3セットを目標に行いましょう。
【大胸筋・上腕三頭筋】フロアプレス
バーベルやダンベルでのフロアプレスと同じ種目です。ケトルベルを片手に持って行うことも両手に持って行うことも可能です。
今回は片手にケトルベルを持って片腕ずつ行う方法を紹介します。
1. 床に仰向けに寝ます。大胸筋の伸展をより意識したい場合は肩甲骨を下制させ、胸を張ります。ベンチプレスの姿勢に近いです。
2. 片手の親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛け、手の甲側に持ちます。そのまま腕を天井に向けてまっすぐ伸ばします。
3. ベンチプレスの要領で腕を曲げ、ケトルベルを下ろします。地面に寝ているため、肘が地面に当たるギリギリまで下ろします。
4. そのまま同じ軌道を意識してケトルベルを天井に持ち上げます。大胸筋を収縮させる意識を持ちましょう。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、逆の腕でも同様に行い、それぞれ3セットを目標に行いましょう。
【大胸筋・上腕三頭筋・腹筋】ハーフゲットアップ
中級者向けのターキッシュゲットアップを行うための練習種目として、ハーフゲットアップを紹介します。
仰向けに寝た状態から、ケトルベルを真上に掲げたまま身体を起こす動きです。
1. 床に仰向けに寝ます。片手の親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛けて手の甲側に持ちます。
2. フロアプレスのような要領でケトルベルを天井に向かって持ち上げます。腕を伸ばしきるのに合わせて、ケトルベルを持っていると側の脚の膝を立たせ、反対の脚は45°程外側に開きます。
3. ケトルベルを天井に向かって持ち上げ腕をまっすぐ伸ばしたまま、腹筋に力を入れて上体を起こします。この際、「ケトルベルを持った側の肩」→「持っていない側の肩」→「持っていない側の肘」→「持っていない側の手の平」へと重心を動かしながら身体を支えます。
4. 身体を起こし、「ケトルベルを持っている側の足の平」、「持っていない側のお尻」、「持っていない側の脚」、「持っていない側の手の平」で身体をしっかり支え、目線はケトルベル、腕は地面と垂直になるように姿勢を保ちます。
5. 同じ軌道を意識したままスタートポジションに戻ります。
6. 上記の運動を繰り返します。5~10回を1セットとし、反対側の腕でも同様に行い、それぞれ3セットを目標に行いましょう。
中級者向けケトルベルトレーニング11種目
【全身】ターキッシュゲットアップ
ハーフゲットアップから応用して行うゲットアップです。全身を鍛える種目の中でケトルベルならではの刺激を体感できます。
1. 床に仰向けに寝ます。片手の親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛けて手の甲側に持ちます。
2. フロアプレスのような要領でケトルベルを天井に向かって持ち上げます。腕を伸ばしきるのに合わせて、ケトルベルを持っていると側の脚の膝を立たせ、反対の脚は45°程外側に開きます。
3. ケトルベルを天井に向かって持ち上げ腕をまっすぐ伸ばしたまま、腹筋に力を入れて上体を起こします。この際、「ケトルベルを持った側の肩」→「持っていない側の肩」→「持っていない側の肘」→「持っていない側の手の平」へと重心を動かしながら身体を支えます。
4. 身体を起こし、「ケトルベルを持っている側の足の平」、「持っていない側のお尻」、「持っていない側の脚」、「持っていない側の手の平」で身体をしっかり支え、目線はケトルベル、腕は地面と垂直になるように姿勢を保ちます。
5. お尻を地面から持ち上げ、「ケトルベルを持っている側の足」と「持っていない手の平」の二点で全体重をしっかりと支えます。そのまま「ケトルベルを持っていない側の足」を引き、お尻の下に膝を着きます。
6 . ケトルベルを持っていない手を地面から離して、身体を起こし、ケトルベルに目線を向けたまま両足で立ち上がります。ケトルベルを持つ手は真っすぐと伸ばしましょう。
7. 同じ軌道を意識してスタートポジションまで戻ります。全身に大きく負荷がかかるので5回を1セットとし3セットを目標に行いましょう。
【腹筋・大臀筋・ハム】ウィンドミル
片腕ずつ行い腹筋を立ったまま鍛える種目です。体が硬い人は軽く膝を曲げる場合もあります。しっかりとストレッチをして行いましょう。
1. 肩幅に足を開き、片足に体重を乗せます。今回は右足に体重を乗せた場合で説明します。
2. 右手の親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛けて握り、そのまま真上に伸ばします。
3. 右足に体重を乗せたままお尻を右側に突き出し、上体を左へ倒します。この時上体が丸まらないように胸を張り、右手は常に天井へ伸ばします。
4. ストレッチを感じながら身体を倒し、目線は常にケトルベルを見ます。身体を倒しきったらスタートポジションに戻ります。
5. 上記の運動を繰り返します。15~20回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。逆側の腕でも同様に行います。
【大腿四頭筋・ハム・大臀筋・上腕三頭筋】ジャーク
バーベル種目でも定番のジャークをケトルベルで行います。片腕でも両腕でも行うことができます。
瞬発系の種目なので、繰り返し取り組みフォームを身体にしみこませましょう。
1. 両脚を肩幅に開き、ケトルベルを片手の親指と人差し指の間に引っ掛け手の甲側で胸の高さに持ちます。ラックポジションです。
2. お尻を軽く前に突き出すように膝を曲げつつ、腰を落として脚に力をためます。
3. 脚を一気に伸ばし、その力でケトルベルが上に持ち上がるのに合わせて腕を真上に伸ばします。ケトルベルが真上に伸びるのと同時に膝を曲げ身体をケトルベルの真下に潜り込ませ安定させます。
4. 膝をまっすぐ伸ばしきり、まっすぐ立ちます。この時、腕も足も伸びきった状態です。
5. スタートポジションに戻ります。上記の運動を繰り返しましょう。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。反対の腕でも同様に行います。
【腹筋】ロシアン・ツイスト
通常の腹筋トレーニングでよく見る種目の一つです。ケトルベルを使うことで負荷が上がります。
1. 仰向けに寝た状態から、膝を90°曲げ膝を立てます。ケトルベルを胸の位置に持ちます。
2. 腹筋の収縮を意識しながら身体を丸めるようにして起き上がります。
3. 身体を起こした位置でキープして、上半身をひねるようにケトルベルを左右に振ります。ケトルベルを10往復させるのを1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【腹筋・上腕二頭筋】レネゲード・ロウ
腕立て伏せの姿勢からケトルベルを引く種目です。
慣れるまではバランスが取れず不安定になるので崩れ落ちないように気を付けて行いましょう。ケトルベルが2つ必要な種目です。
1. 両手それぞれにケトルベルを握ったまま腕立て伏せの姿勢になります。この際、両つま先は肩幅程度に開き、肩からつま先までが両脚とも平行になるように意識しましょう。
2. 片側のケトルベルを引き上げます。腕立て伏せの姿勢からワンハンドロウを行う感覚です。
3. 腕立て伏せの姿勢に戻り今度は反対側のダンベルを引きます。
4. 上記の運動を繰り返します。両方の腕で引いたら1回とカウントし、10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【腹筋・広背筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム】シングルレッグ・デッドリフト
片足で行うスティフドレッグデッドリフトのような動きです。高いバランス感覚を要求します。
1. 片手でケトルベルを持ち、ケトルベルを持った側の足を地面から離して後ろに伸ばします。
2. ケトルベルを地面に下ろしていきます。上体も倒していきますが、背中が丸まらないように意識します。
3. ケトルベルが地面に着くタイミングで身体をスタートポジションまで持ち上げます。
4. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。反対側の手足でも同様に行います。
【腹筋】ゲットアップ・シットアップ
ケトルベルを使った腹筋トレーニングです。初動にかかる負荷が大きいです。背中を丸めはしないので収縮感は弱い種目です。
1. 仰向けに寝て膝を90°に曲げます。ケトルベルを片手で握り腕を伸ばして、胸の真上にセットします。
2. 腹筋の動きを使って上体を起こしていきます。この種目ではお腹を丸めるというよりも上体を起こしていくことに意識を持ちましょう。
3. 上体を起こしきったらゆっくりと上半身を仰向けの姿勢まで下ろしていきます。
4. 上記の運動を繰り返します。それぞれの腕で行いましょう。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【上腕三頭筋(大胸筋・肩関節ストレッチ)】アームバー
アームバーはトレーニング種目というよりも軽い重量で最初に行うウォームアップとしての役割が強いです。肩関節の可動域を広げ、大胸筋のストレッチを行います。
1. 右手にケトルベルを持つ場合で解説します。仰向けに寝て、右手の親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛け手の甲側で持ちます。
2. フロアプレスの要領でケトルベルを真上に持ち上げます。
3. そのまま右の肩甲骨を地面から離し、右足を左足より前に出して身体を半回転させます。左の体側で地面に着き、右足が前、左足が後ろにある状態です。
4. そのまま肩甲骨を寄せるようにして胸を張りストレッチします。この際、ケトルベルが身体より大きく後ろに行ってしまうと大胸筋、肩甲骨を痛める原因となります。注意しましょう。
5. 3~5秒ストレッチさせたら反対の腕でも同様に行いましょう。
【腹筋・大腿四頭筋・ハム】ローリングデッキ・スクワット
ローリングデッキ・スクワットはスクワットの派生形です。やや動きのある種目ですので、周りに注意して行いましょう。
1. ケトルベルを胸の位置で握り、脚は肩幅に開き脇を閉じます。
2. フルスクワットの要領で腰をボトムポジションまで落としていきます。
3. ボトムポジションまでしゃがみきったら、お尻を地面に着け後ろ回りをするようにして身体を後ろに回転させます。
4. 肩甲骨が地面に着く位置まで身体を後ろに転がしたら、そこから反動を使って転がる前のしゃがみこんだ姿勢まで戻ります。
5. 真っすぐ立ち上がりスタートポジションに戻ります。
6. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【上腕三頭筋・三角筋・大腿四頭筋】スラスター
スラスターはスクワットとプレスを同時に行う種目です。負荷が足りない方、運動量を増やしたいと感じた方にはスラスターがおすすめです。
ケトルベルを両手で握って行うやり方をコブレットスラスターと呼びます。
1. 親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛け、手の甲側に持ちます。ケトルベルは胸の高さで持ち、脚は肩幅に開き脇を閉じます。
2. 腰をボトムポジションまでフルスクワットの要領で落とします。
3. ボトムポジションから立ち上がる勢いでケトルベルが上に浮くのに合わせて、腕を真上に伸ばします。脚が伸び切ったタイミングで腕も伸ばし切ります。
4. 腕をもとの位置まで下ろし、スタートポジションに戻ります。
5. 上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【僧帽筋・三角筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】ハイプル・トゥ・スクワット
ハイプル・トゥ・スクワットではハイプルを行った後にスクワットも行うという種目です。
強度がかなり強い種目です。ケトルベルトレーニングに慣れてきた方は挑戦してみましょう。
1. 脚を肩幅程度に開き、つま先を15~30°程度外に向けケトルベルを片手で持ちます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3. ヒップドライブを意識してお尻を前に突き出しながら、腕をてこのように使った遠心力で胸のあたりまでケトルベルを持ち上げます。
4. 胸のあたりまで上がったケトルベルをそのまま斜め後ろに引き上げます。肘の高さは肩の位置あたりです。肩甲骨を使って、腕で引くというよりも肘から斜め上に引き上げるという感覚です。
5. ここまでがハイプルです。ハイプルで持ち上がったケトルベルの底をそのまま両手で抱えるように持ち替えます。
6. そのままスクワットを行います。
7. スタートポジションに戻り、上記の運動を繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
上級者向けケトルベルトレーニング6種目
【前腕筋群・上腕二頭筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】ボトムアップ・クリーン
ボトムアップ・クリーンはクリーンの応用版と言えます。ケトルベルを支える姿勢がより不安定になるため、握力や体幹部への負荷が増します。
クリーンをマスターしたのちに是非取り組みましょう。
1. 最初の手順はクリーンと同じです。肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを片手で持ち床に置きます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3.股関節を立てるようにお尻を前に突き出し、スクワットの要領もあわせ膝を伸ばします。その勢いでケトルベルを腰から胸の高さまで上げます。
4. ケトルベルを持ち上げてきたタイミングで、ケトルベルの下に入れるように肘を折ります。ここで、ケトルベルを半回転だけさせ、ケトルベルを手の真上の位置で停止させます。
5.両脚を伸ばしきり、腕を身体に近づけます。この際、ケトルベルが手の甲側に落ちないよう、しっかりとケトルベルを上向きのまま保持しましょう。ここが通常のクリーンと異なります。
6. ケトルベルを下ろし、上記の運動を繰り返します。徐々に慣らしていき、15~20回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
【前腕筋群・上腕二頭筋・上腕三頭筋・脊柱起立筋・ハム・大臀筋】ボトムアップ・プレス
ボトムアップ・プレスでは、ボトムアップ・クリーンを行った後にプレスを行う種目です。ボトムアップ・クリーンに慣れてきたら取り組みましょう。
両手にそれぞれケトルベルを持ち、両手同時に行うボトムアップ・プレスをダブル・ボトムアップ・プレスと言います。
片腕ずつ交互に行うボトムアップ・プレスをオルタネイト・ボトムアップ・プレスと言います。
1. 最初の手順はボトムアップ・クリーンと同じです。肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを片手で持ち床に置きます。
2. ケトルベルを股の間から後ろに引き、お尻も後ろに引っ張ります。同時に軽く股関節と膝も曲げます。
3.股関節を立てるようにお尻を前に突き出し、スクワットの要領もあわせ膝を伸ばします。その勢いでケトルベルを腰から胸の高さまで上げます。
4. ケトルベルを持ち上げてきたタイミングで、ケトルベルの下に入れるように肘を折ります。ここで、ケトルベルを半回転だけさせ、ケトルベルを手の真上の位置で停止させます。
5.両脚を伸ばしきり、腕を身体に近づけます。この際、ケトルベルが手の甲側に落ちないよう、しっかりとケトルベルを上向きのまま保持します。
6. ここから、プレスの要領でケトルベルを持ち上げます。ケトルベルの向きは逆さのまま、バランスを崩さないよう天井に向けて腕を伸ばしきります。
7. 腕を伸ばし終えたら、スタートポジションに戻ります。上記の動きを繰り返します。5~10回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。両腕共に行います。
【三角筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】オーバーヘッド・スクワット
オーバーヘッド・スクワットでは、通常のスクワットとはケトルベルを抱える位置が異なります。
通常のスクワットに物足りなさを感じるようになった方におすすめできる種目です。
1. 両脚を肩幅程度に開き、人差し指と親指の間に引っ掛けたケトルベルを頭上に持ち上げて腕を伸ばしきります。プレスなどのフィニッシュと同じくロックアウトのポジションです。
2. 腕を伸ばしきったまま、膝を曲げて腰を落とししゃがんでいきます。
3. ケトルベルを持っていない手で地面をタッチできるまでしゃがみこみ、その後スタートポジションまで立ち上がって戻ります。
4. 上記の動きを繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。両腕どちらの場合でも行います。
【腹筋・脊柱起立筋・大腿四頭筋・ハム・大臀筋】ピストル・スクワット
ピストル・スクワットは片足を浮かしたまま行うスクワットです。
負荷も大きく、バランス感覚と柔軟性も必要になる難易度の高い種目です。
1. 親指と人差し指の間にケトルベルを引っ掛け手の甲側に持ち、胸の高さにて支えます。
2. ケトルベルを持っている側の足を浮かし、もう片方の足でバランスをとって立ちます。
3. そのまま膝を曲げて腰を落とし、お尻をかかとにつけるくらいまでしゃがみこみます。
4. ボトムまで到達したら数秒間静止し、スタートポジションに向かって立ち上がります。この動作中は常に片足を浮かします。
5. 上記の運動を繰り返します。5~10回を1セットとし、3セットを目標に行いましょう。
【大胸筋・上腕三頭筋・腹筋】ボトムアップ・プッシュアップ
ボトムアップ・プッシュアップはプッシュアップの応用系です。ケトルベルを上下逆さまに置いて行います。
そのため、通常のプッシュアップよりも体幹部への負荷が増し、バランスを要求します。
バランスを崩してケガをしないようによく注意しましょう。
1. ケトルベルを上下逆さまに地面に置き、ケトルベルが胸の中心に位置するように腕立て伏せの姿勢を取ります。ここからはプッシュアップと同じやり方です。
2. ケトルベルの取っ手ではなく球の部分に両手を乗せ、身体を支えます。手を中心に置いた腕立て伏せのような姿勢です。
3. そのまま腕立て伏せを行います。大胸筋が収縮するのを意識しながら行いましょう。肘が痛くならない可動域で身体を下ろし、そのまま元の姿勢まで戻ります。
4. 3の動きを繰り返します。10~15回を1セットとし、3セットを目標におこないましょう。
【前腕筋群・上腕二頭筋・広背筋・ハム・大腿四頭筋・大臀筋】ダブル・オルタネイト・クリーン
ダブル・オルタネイト・クリーンは二つのケトルベルを用いてデッド・クリーンを両腕で交互に行う種目です。非常に強度の高い種目になります。
1. 肩幅より軽く足を開き、つま先を15~30°程外に向けて立ちます。ケトルベルを両手に一つずつ持ち床に置きます。
2. 膝を曲げ、腰を落としスクワットのボトムポジションのような状態を取ります。
3. スクワットの要領で立ち上がると同時に片方の腕のケトルベルを真上に引き上げます。
4. ケトルベルを持ち上げてきたタイミングで、ケトルベルの下に入れるように肘を折り、ケトルベルを回転させ手の甲側に回しこみます。
5. 両脚を伸ばしきり腕を身体に近づけ、ケトルベルを腕の上に乗せます。手の平はやや内向きにしてケトルベルが親指と人差し指の間に引っかかっている状態です。ラックポジションとも言います。
6. ケトルベルを下ろし、今度は逆の腕で上記の運動を繰り返します。デッド・クリーンを片腕ずつ交互に行います。徐々に慣らしていき、15~20回を1セットとし3セットを目標にしましょう。
タバタ式トレーニングなどのHIITに組み込む応用編
前述の通り、ケトルベルトレーニングは筋力トレーニングと有酸素運動を兼ね備えたかなりの脂肪燃焼効果があるとされたエクササイズです。
ケトルベルトレーニングだけでも十分高強度ですが、タバタ式トレーニングなどのHIITトレーニングの中に1種目取り入れることもおすすめです。
メニューの中の強度を変えることができ身体にまた違った刺激を与えられます。
1. ワンアームスイング
2. フロントスクワット
3. スナッチ
4. プレス
5. フロントスクワット
6. ワンアームスイング
7. フロントスクワット
8. スナッチ
9. プレス
10. スナッチ
こちらの動画では40秒ワークアウト20秒レスト(初心者はは30秒ワークアウト30秒レスト)で10種目行っています。
かなりハイボリュームなので最初はこの半分の種目数でも十分追い込めます。是非試してみてください。
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ケトルベルの買い方 値段が安いのはAmazon?楽天?格安で購入できる通販は?
ケトルベルは各フィットネスブランドから販売されています。それぞれのメーカーでケトルベルの作りがやや異なります。その中でおすすめのメーカーのものを紹介します。
おすすめメーカー1:ivanko(イヴァンコ) 自宅用からジム用まで本格的なギア
バーベルやダンベルなどの販売でも有名なイヴァンコのケトルベルを紹介します。
特徴としてはグリップ部分が32~39 mmと太い作りになっており、握力向上の効果もある点です。また、グリップと重心も離れておりバランスがとりにくく、より強度の高いケトルベルです。
初心者女性におすすめの軽い4 kgで2,700円、初心者男性におすすめの12 kgで7,560円です。Amazon、楽天共に値段の差はありません。
おすすめメーカー2:FIELDOOR(フィールドア) 初心者向け高品質かつ安い自宅用
キャンプなどのアウトドア用品を販売するフィールドアのケトルベルを紹介します。
こちらの商品は他のメーカーと比べて価格が圧倒的に安いです。
重量は4~20 kgと豊富ではありませんが、初心者が購入して始めるのには十分です。
初心者女性におすすめの軽い4 kgで2,180円、初心者男性におすすめの12 kgで3,780円です。Amazonの方で安く購入できます。
まとめ
いかがでしたか。今回はケトルベルトレーニングについて解説しました。
普段ボディメイクを行っている方はダンベルやバーベルを用いたトレーニングのみを行いがちかもしれませんが、減量やダイエットを行いたい方には特にチェックしていただきたいエクササイズの一つです。
自宅でも行えるうえにかなりのカロリー消費が期待できます。自分のトレーニングサイクルにうまく取り入れて、ボディメイクを効率よく行いましょう!
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